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2010/07/02

「ある閉ざされた雪の山荘で」@東野圭吾

こんにちは、そうるです。やっと明日から週末ですね。。。ディズニーランドに行こう、と考えているので、雨が降らないことを願うばかりです。この時期にディズニーランドに行く理想としては、雨の予報だから入場者が少なくて、でもノリで行ってみたら案外あんまり降らなくて楽しめた、というのがいいなーと思ってます。でもとっても楽しみ!! 2年ぶりくらいかなー…社会人になってからは初だな!

さて、そんなことを思いながら、現在「未読」棚に入っている最後の東野圭吾を読み終わりました。
と言っても、ちょこちょこ感想が追い付いていないので、思い出しつつ近日中にはアップしたいなと思っているのですが。

「ある閉ざされた雪の山荘で」@東野圭吾


【あらすじ】(アマゾンより)
早春の乗鞍高原のペンションに集まったのは、オーディションに合格した若き男女七名。これから雪に閉ざされ孤立した山荘での殺人劇が始まる。一人また一人と消えていく現実は芝居なのか。一度限りの大技が読者を直撃。

【一言抜き出すなら】
迫真の演技に、私は完全に騙された。

【感想】
 一つの所に複数人の男女が閉じこめられ、外界との接触を断たれている中で次々と人が殺されていくストーリー。
 「古典」と銘打たれるミステリーを読んだことがある人なら、誰でも「ああ」と思い付くような所謂「本格」モノ。
 東野圭吾が、その「本格」を目指し(もしくは意識し)、且つその中に「東野圭吾らしさ」を取り入れた結果として出来たこの作品は、純粋に「小説を楽しむ」ことができると思います。

 登場人物の誰かに感情移入して、泣いてしまうわけじゃ無い。
 自分の人生が変わってしまうほど、感動する名文句に出会えるわけじゃ無い。

 でも、「展開が読めない」とか、「本当に殺人は起きているのか」とか、「犯人は誰だ」とか、「どうやって殺したんだ」とか、分からないことばかりで、意図的に東野圭吾に情報操作されている中で、読み進むにつれて色々な方向に騙されて、真実を隠されて、でも少しづつヒントを与えられて。そうやって「小説を読んでいく」こと、「結末で大どんでん返しに驚く」ことの楽しさを、鮮やかに与えてくれる作品でした。
 
 ほんと、続きが気になって仕方なかった。

 「演劇」が作品のキーワードになっていて、その所為で、「人がいなくなっている」という現実の状況が、「殺された」ものなのか、「舞台上の設定で殺されただけでいなくなっただけ」なのかがまず分からない。「殺された」なら大変なことだけど、「いなくなった」だけなら騒ぎたてるのはまずい。

 設定に凝りすぎてストーリー性が欠けていたり、話が破綻してしまいそうな小説はたまに見かけますが(アマチュアにありがちなことなのかもしれませんが)、この作品はそんなことはなく、作者もこの「新しい試み」で「何が本当なのか分からない」トリックを楽しみながら書いたんだろうな、ということが伝わってきます。

 何回も前に言っていますが、東野圭吾はプロの「小説家」で、文章で人を楽しませる「エンターティナー」だ、とまたしてもしみじみ思った話でした。



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