【あらすじ】(「BOOK」データベース より) 広次と薫の恋は、壮絶な結末を迎えた。それから十八年後、薫の愛したふたりの娘は、美しい姉妹へと成長していた。美輝は北海道大学に入学し、正義感の強い修介と出会う。函館で祖母と暮す美哉は、愛してはいけない男への片想いに苦しむ。母は許されぬ恋にすべてを懸けた。翳を胸に宿して成長した娘たちもまた、運命の男を探し求めるのだった。女三代の愛を描く大河小説、完結篇。島清恋愛文学賞受賞作。 |
【一言抜き出すなら】
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【感想】
あっという間に衝撃の結末を迎えた薫の恋。
えっ?!と思っていたところに、その薫の決着が波紋を広げ、薫の母タミと、薫の二人の娘美輝と美哉に大きな影と影響を広げていく過程が丁寧に描かれていきます。
上巻ほどの、切羽詰まった恋愛とか、人を殺しかねないおどろおどろしさや、特定の人を決めてしまった狂気のようなものは感じられません。
けれど対照的に、3人の女たちが薫を鏡にしながら自分を省みつつ、それぞれの道を歩いていく姿に、「家族」というものを強く感じました。
自分は、どう歩くか。
悩みつつ、母や祖母の行く末を自分なりに消化して、その上で娘たちも自分の道を歩く。
普通、主人公の物語が終わってしまって、その後を描く話は尻すぼみ的な感じがするものですが、このお話は引き続き深く考えさせられるものがあり、恋愛から、自己や自我、女というものまで視野広く素敵な世界を見せていただきました。
ほんっとうに、ありがとうございました。
(95点.やはり、自分のことは自分しか決められない。)
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