【あらすじ】(「BOOK」データベースより) 「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎強直症、妄想癖…訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。こいつは利口か、馬鹿か?名医か、ヤブ医者か。 |
【一言抜き出すなら】
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【感想】
同じ神経科医を訪れる、様々なタイプの患者たち。その一人ひとりをクローズアップしていく連作短編…でしたけれど。
…おもしろくない。
もともと短編はあまり好きじゃない。
表面だけさらっと書いて、皮肉って、結局その人がどうなったのか、どうしてそうなったのかよく分からなくて。
一場面だけ切り取って、鋭利に怖がらせて、「人ごとじゃない」ような気にさせて、うまいぐあいに調理して。
小説の技巧や設定が重視されて、あんまり登場人物への愛を感じないからかな。
この批判が、この作品に対してなのか、この奥田さんに対してなのか、短編という形式に対してなのかはよく分からないけれど。
ちょっとばかし表紙に期待してしまって、がっかりしてしまって、でも連作でパターン違いの表紙で次が出ているから、もう1冊くらい読んでみようかと思ったり。1冊だけで悪口言いっぱなしなのも申し訳ないし。
この1冊の中では、「コンパニオン」が印象的。っていうか、どれも客観的な意見が差し挟まれないまま進むので、感情移入しちゃうと自分も精神科行き的感覚を持ってるってことのような気がして、批判しながら読まないと正常じゃないような気がしてきて疲れちゃったよ。
(40点。レギュラー登場の精神科医も好きになれない。)
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