昼になりまして、あと今日の間にすることが何にもなくなってしまった…と思います。
はやく有給消化に入りたい。それが終わったら、新しい会社で楽しく働くんだ!(たぶん)
【あらすじ】(「BOOK」データベースより) 宿を整え、厨房を手伝い、動物の世話をする。訪れるのは不登校の少女や寂しい老人、夢を追う花屋の娘たち…。人々との出会い、自然と格闘する日々が、少しずつ祐介を変えていく。一方、瞳子は夫の消息を追ってエジプトへ。もう一度誰かを愛せる日は来るのだろうか―。壊れかけた心にやさしく降りつもる物語。 |
【一言抜き出すなら】
私が幸せかどうかは、私だけが知っていればいいこと
【感想】
「ダブル・ファンタジー」には及ばなかったな…
というのがまず感想です。
まあ、2004年刊の本作を、5年後発刊の「ダブル・ファンタジー」と比べることがナンセンスなんですけど。
でも、この作家さんが5年後に「ダブル・ファンタジー」を書くのだと思うと、そうるとしての「好み!」はあくまで今の村山由佳なので、これからこの人が何をどういう風に書いてきたのか、合間を縫うように読んでいきたいです。
高校生くらいの時は、ごてごての恋愛小説を書く人、として村山由佳を毛嫌い(読まず嫌い)していたのですが、今この人の小説に感情移入出来ちゃうってことは、そうるの恋愛方面がちゃんと全うに成長してきたってことになるんですかね(笑)
ストーリーとしては、「落ち着くべき場所」に落ち着きすぎたかな、と思うところが少し。最近ミステリばっかり読んでいたので、最後にどんでん返しがなくてつまらなく感じちゃったのかもしれません。
綺麗すぎるくらい綺麗に纏まってる感じ。
ただ、最後に突然、主人公の祐介が「今のままじゃ嫌だ、今の中途半端なまま安穏としている自分にあと1秒も我慢できない。自己嫌悪で叫びだしたくなる」といったような意味の一文があり、これまでずっと逃避してきた安全な場所から一気に飛び出そうとするシーンがあるのですが、この瞬間、この心理、何がトリガ―なのか自分でも明確には言えないのだけれど、でも本当にイキナリ駆けだしたくなるこの心理の描写が、「私もこんな時あったな」とすごくたくさんのことを思い出しました。
そうして飛び出したことで、そうるはこれまでたくさんの人に迷惑を掛けてきたし呆れられもしたし悲しませたりもしてきたのですが、でもそうるは「我慢できなかった」自分、その先の「不確かな違う場所」に進むことを決めた私を誰より自分で認めたいと思っています。こういう自分が好きとか嫌いではなく、「ある日突然飛び出しがちな人」だと認めて、飛び出した先にあるものが良かろうと悪かろうとちゃんと責任もって受け止めていこう、前だけ見ていこう、と思います。飛び出してしまったものを後からぐちぐち言ってくさくさすることほどかっこ悪いことはない、とも思いますし。
まあこんな風にそうるは考えてるんですが、「ダブル・ファンタジー」を読んだ人なら(おい、影響受けすぎだよ!)って思ってると思います。
それだけ、私にとってあの主人公の奈津はかっこよかったんです。正にこういう風に考えて生きていきたい!!って感じでした。
でも、青春の一幕としては本作の祐介もとてもかっこよく、親近感が持てました。夢物語ではないけど、ありえる思い出としての綺麗さがあるかな、と。畑や温泉、動物たちの描写と併せて、すごく綺麗で懐かしい雰囲気がしました。
90点!(恋愛って素敵だなぁ)
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__⇒同じ作家の別の本
・「すべての雲は銀の…」(上)@村山由佳
・「W/F ダブルファンタジー」@村山由佳
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