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2010/06/28

「時生」@東野圭吾

こんにちは、そうるです。
久しぶりに、良い名前に出会いました。
息子に付けたい。そうでなければ、いつか創る物語の主人公に、この名前を使いたいと本気で思いました。

「時生」@東野圭吾


【あらすじ】(アマゾンより)
不治の病を患う息子に最期のときが訪れつつあるとき、宮本拓実は妻に、二十年以上前に出会った少年との想い出を語りはじめる。どうしようもない若者だった拓実は、「トキオ」と名乗る少年と共に、謎を残して消えた恋人・千鶴の行方を追った―。過去、現在、未来が交錯するベストセラー作家の集大成作品。

【一言抜き出すなら】
あの人の若気の至りを見るのは辛い

【感想】
 もし、自分が18で死ぬ体だったら。
 そうるはとっくに18を過ぎているから、もっと現実的に考えて、例えば、あと5年しか、3年しか、1年しか生きられないとしたら。
 何のために生きるだろう。
 最後の瞬間に、「生きて良かった」と笑うために生きるだろう、って気がする。
 そんな体に産んでごめんって両親に泣かれないために。
 こんな私でも、出会えてよかったっていろんな周りの人に思ってもらうために。

 けれどこの話はちょっとだけSFだから、死んだあと、時生の体は過去に流れて、若い青春しているお父さんと同じ時を生きることになる。未来で、自分の父になるお父さんは、今はまだ青くて、若くて、向こう見ずなことをたくさんしていて。
 そんな、「お父さん」らしくないお父さんと共に生きて、子供は何を思うだろう。例えば私だったら、若い、まだお父さんと出会う前の若いお母さんに会ったら、果たして友達になれるだろうか。
 私(子供)は、生まれてもあんまり生きずに死んでしまうって分かり切ってて、悲しませるって分かってるのに、お母さんにもお父さんにも、他の道がまだ残されている時に、私(子供)に至る道を、私はどう見つめるのだろう。
 生まれたい、と思うのだろうか。
 そしてそれを、自分は身勝手だと感じるだろうか。

 綺麗事でも、SFが入り混じった夢物語でもなんでも、この「時生」の中で、時生は後悔することなく、自分は幸せであり、家族は幸せであり、そこに至る道が「有るべき姿」「幸せの姿」だと望む。そこに不安や迷いは、驚くほどに少ない。

 人生には、様々な路がある。

 その時を、その瞬間を生きて生きて、人は今に、未来に辿り付く。

 その未来が、「あるべき」未来であるために。後悔しないために。幸せになるために。
 ひたすらに、生まれることが正しいと言い切れる時生をかっこいいと思うし、子供がこう感じてくれる親になりたいと思う。

そんなわけで、「時生」って良い名前だな、と思った。
 …ちなみに、女の子に付けたいNO1は「未駆」です。「未来を駆ける」。私って、ちょっとSFチックな名前が好きみたいです。




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