【あらすじ】(「BOOK」データベースより) マナスル登頂を目指す登山隊の隊長になってくれ、さもなくば―得体の知れない男から脅迫され、登山家の滝沢はやむなく仕事を請け負った。が、出発した登山隊はどこか不自然だった。実は彼らは偽装したチベット・ゲリラの部隊だったのだ。しかも部隊の全員が銃で武装している。彼らの真の目的は何なのか。厳寒のヒマラヤを舞台に展開する陰謀、裏切り、そして壮絶な逃避行―迫真の筆致で描く、山岳冒険小説の傑作。 |
【一言抜き出すなら】
少しくらい離れていても、ニマの存在は嗅覚でわかった。
【感想】
せっかく図書館でなんでも借り放題なので、「買う」「借りる」ではまず手を出さないような本を借りてみました。
でも、なんとなく裏表紙のあらすじを読んで、惹かれるものがあったんですが。
いや、勘はアタリでした! おもしろかった!
登山のことは何も分かりませんし、
ヒマラヤ周辺のネパールの中国やインドの紛争のことなんて、報道されている以下の殆ど無知の状態ですが。
そんなことは関係なしに、猛吹雪の7000メートルの高さで身体が宙に投げ出される恐怖、
夕陽に照らしだされる連邦の神々しく雄々しい姿が、目の前に浮かび上がるようでした。
またそれとは別に、そのあたりの民族の紛争のむごたらしさ、人を殺すあっけなさ、人一人が生き抜くというそれだけのための苦労と獣じみた逃避行のリアルさ。
いや、これはまるっきし日本じゃない。日本人が書いたもんじゃないよ、と思いつつ、でも訳書ではなく、日本語の表現のすばらしさを感じながら読めて本当に幸せでした。
嘘偽りなく、「傑作」だと思います!!
(90点。人が生きるってすごいことだ)
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