こんにちは。
お母さんから大量に借りた東野圭吾も、やっと最後の1冊です。
今回は珍しく短編集。
短編集って、どうしても緊張が1冊続かないからか苦手で、借りでもしないと読まないので
珍しい機会なんですが。
「天使の耳」@東野圭吾
【あらすじ】(アマゾンより)
天使の耳をもつ美少女が兄の死亡事故を解明。
深夜の交差点で衝突事故が発生。信号を無視したのはどちらの車か!?死んだドライバーの妹が同乗していたが、少女は目が不自由だった。しかし、彼女は交通警察官も経験したことがないような驚くべく方法で兄の正当性を証明した。日常起こりうる交通事故がもたらす人々の運命の急転を活写した連作ミステリー。
【一言抜き出すなら】
法律ほんの少し何かがズレるだけで、敵にも味方にもなる。彼女は自分の身を投げ出して、その分離帯を越えたのだ。
【感想】
東野圭吾はプロだ。
それが、この本を通して読んだ、私真っ先の感想でした。
こんなこと、誰だって今さらだよって思うと思うのですが。
小説を書くって、好きでしている人が何人もいると思うんです。
趣味とか、投稿の範囲まで数えたらそれこそびっくりするくらいの数の人が、自分だけの物語を創っていると思う。
でも、プロってそうやって、自分の物語を創れるだけじゃだめで。
どんな題材でもちゃんと物語れる。どんな題材でも、自分の中に情報を溜めて、咀嚼して、消化して、蒸留して、この角度だっていう物語の骨組みを組んで、その上に最初に溜めた情報を肉付けして創る。
好きなジャンルとか、好きな傾向に偏らず、どんな題材でもエンターテイメント性ある(つまり魅力のある)
作品に仕上げることができる東野圭吾は、プロだ、と思いました。
「白夜行」のような、押し殺した感情の行きつく徹底したシリアスも書ける。
「容疑者Xの献身」のような、大衆的なミステリーに人情を存分に加味したものも書ける。
「秘密」のような、非日常のSFの世界と、だからこそ個人の感情やウっ屈を存分に魅せるものも書ける。
そしてこの「天使の耳」は、短編6編を全て読者がとっても身近に感じる警察である、「交通警察」を題材にしてひと癖ふた癖あるストーリーに仕立て上げている。
プロだ。
1つ1つの作品は、正直「墓まで持っていきたい」ほど好きではないけれど、東野圭吾はまちかいなく、現代を代表する商業的プロの小説家だと思う。
「創作する分野でのプロ」ってものを、私は本当に尊敬する。
- - - ⇒同じ作家の別の本
・「ウインクで乾杯」@東野圭吾
・「さまよう刃」@東野圭吾
・「11文字の殺人」@東野圭吾
・「秘密」@東野圭吾
2010/03/13
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