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2010/07/02

「ある閉ざされた雪の山荘で」@東野圭吾

こんにちは、そうるです。やっと明日から週末ですね。。。ディズニーランドに行こう、と考えているので、雨が降らないことを願うばかりです。この時期にディズニーランドに行く理想としては、雨の予報だから入場者が少なくて、でもノリで行ってみたら案外あんまり降らなくて楽しめた、というのがいいなーと思ってます。でもとっても楽しみ!! 2年ぶりくらいかなー…社会人になってからは初だな!

さて、そんなことを思いながら、現在「未読」棚に入っている最後の東野圭吾を読み終わりました。
と言っても、ちょこちょこ感想が追い付いていないので、思い出しつつ近日中にはアップしたいなと思っているのですが。

「ある閉ざされた雪の山荘で」@東野圭吾


【あらすじ】(アマゾンより)
早春の乗鞍高原のペンションに集まったのは、オーディションに合格した若き男女七名。これから雪に閉ざされ孤立した山荘での殺人劇が始まる。一人また一人と消えていく現実は芝居なのか。一度限りの大技が読者を直撃。

【一言抜き出すなら】
迫真の演技に、私は完全に騙された。

【感想】
 一つの所に複数人の男女が閉じこめられ、外界との接触を断たれている中で次々と人が殺されていくストーリー。
 「古典」と銘打たれるミステリーを読んだことがある人なら、誰でも「ああ」と思い付くような所謂「本格」モノ。
 東野圭吾が、その「本格」を目指し(もしくは意識し)、且つその中に「東野圭吾らしさ」を取り入れた結果として出来たこの作品は、純粋に「小説を楽しむ」ことができると思います。

 登場人物の誰かに感情移入して、泣いてしまうわけじゃ無い。
 自分の人生が変わってしまうほど、感動する名文句に出会えるわけじゃ無い。

 でも、「展開が読めない」とか、「本当に殺人は起きているのか」とか、「犯人は誰だ」とか、「どうやって殺したんだ」とか、分からないことばかりで、意図的に東野圭吾に情報操作されている中で、読み進むにつれて色々な方向に騙されて、真実を隠されて、でも少しづつヒントを与えられて。そうやって「小説を読んでいく」こと、「結末で大どんでん返しに驚く」ことの楽しさを、鮮やかに与えてくれる作品でした。
 
 ほんと、続きが気になって仕方なかった。

 「演劇」が作品のキーワードになっていて、その所為で、「人がいなくなっている」という現実の状況が、「殺された」ものなのか、「舞台上の設定で殺されただけでいなくなっただけ」なのかがまず分からない。「殺された」なら大変なことだけど、「いなくなった」だけなら騒ぎたてるのはまずい。

 設定に凝りすぎてストーリー性が欠けていたり、話が破綻してしまいそうな小説はたまに見かけますが(アマチュアにありがちなことなのかもしれませんが)、この作品はそんなことはなく、作者もこの「新しい試み」で「何が本当なのか分からない」トリックを楽しみながら書いたんだろうな、ということが伝わってきます。

 何回も前に言っていますが、東野圭吾はプロの「小説家」で、文章で人を楽しませる「エンターティナー」だ、とまたしてもしみじみ思った話でした。



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2010/06/28

「時生」@東野圭吾

こんにちは、そうるです。
久しぶりに、良い名前に出会いました。
息子に付けたい。そうでなければ、いつか創る物語の主人公に、この名前を使いたいと本気で思いました。

「時生」@東野圭吾


【あらすじ】(アマゾンより)
不治の病を患う息子に最期のときが訪れつつあるとき、宮本拓実は妻に、二十年以上前に出会った少年との想い出を語りはじめる。どうしようもない若者だった拓実は、「トキオ」と名乗る少年と共に、謎を残して消えた恋人・千鶴の行方を追った―。過去、現在、未来が交錯するベストセラー作家の集大成作品。

【一言抜き出すなら】
あの人の若気の至りを見るのは辛い

【感想】
 もし、自分が18で死ぬ体だったら。
 そうるはとっくに18を過ぎているから、もっと現実的に考えて、例えば、あと5年しか、3年しか、1年しか生きられないとしたら。
 何のために生きるだろう。
 最後の瞬間に、「生きて良かった」と笑うために生きるだろう、って気がする。
 そんな体に産んでごめんって両親に泣かれないために。
 こんな私でも、出会えてよかったっていろんな周りの人に思ってもらうために。

 けれどこの話はちょっとだけSFだから、死んだあと、時生の体は過去に流れて、若い青春しているお父さんと同じ時を生きることになる。未来で、自分の父になるお父さんは、今はまだ青くて、若くて、向こう見ずなことをたくさんしていて。
 そんな、「お父さん」らしくないお父さんと共に生きて、子供は何を思うだろう。例えば私だったら、若い、まだお父さんと出会う前の若いお母さんに会ったら、果たして友達になれるだろうか。
 私(子供)は、生まれてもあんまり生きずに死んでしまうって分かり切ってて、悲しませるって分かってるのに、お母さんにもお父さんにも、他の道がまだ残されている時に、私(子供)に至る道を、私はどう見つめるのだろう。
 生まれたい、と思うのだろうか。
 そしてそれを、自分は身勝手だと感じるだろうか。

 綺麗事でも、SFが入り混じった夢物語でもなんでも、この「時生」の中で、時生は後悔することなく、自分は幸せであり、家族は幸せであり、そこに至る道が「有るべき姿」「幸せの姿」だと望む。そこに不安や迷いは、驚くほどに少ない。

 人生には、様々な路がある。

 その時を、その瞬間を生きて生きて、人は今に、未来に辿り付く。

 その未来が、「あるべき」未来であるために。後悔しないために。幸せになるために。
 ひたすらに、生まれることが正しいと言い切れる時生をかっこいいと思うし、子供がこう感じてくれる親になりたいと思う。

そんなわけで、「時生」って良い名前だな、と思った。
 …ちなみに、女の子に付けたいNO1は「未駆」です。「未来を駆ける」。私って、ちょっとSFチックな名前が好きみたいです。




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「使命と魂のリミット」@東野圭吾

こんにちは、そうるです。
週末も明け、月曜日が始まりました。通勤読書用のストックがなくなってきたのに今日気付いて、週末にブックオフに行けば良かったと思う今日この頃です。

さて。

「使命と魂のリミット」@東野圭吾



【あらすじ】(アマゾンより)
心臓外科医を目指す夕紀は、誰にも言えないある目的を胸に秘めていた。その目的を果たすべき日に、手術室を前代未聞の危機が襲う! 大傑作長編サスペンス。

【一言抜き出すなら】
全力を尽くすか、何もしないか。その2つのことしか医師にはできない。

【感想】
研修医の夕紀と、その夕紀が抱く思惑。これが、この物語の主軸。
に対して、その夕紀の思惑に立ちはだかって壁の一つとなったり、また最後には大団円を連れてくる。それが、この物語の傍軸である、病院爆破を企む男の思惑。

どちらの物語も臨場感たっぷりに、夕紀にも男にも同情させて、いったいどうなるのかとはらはらどきどきさせる。けれど決して、「夕紀が主人公である」ことや、「物語のエンドが夕紀のためにある」ことは揺るがない。だから、東野圭吾の小説は分かりやすくて読みやすく、けれど有る程度複雑に絡み合っていて、読み手が読破の満足を得やすいのだと思う。
 そうるも、「ものすごく東野圭吾が好き」ってわけじゃないけど(たまにこの話は好きだ―っていうのもありますが、そういう大好き!って思える東野圭吾に出会うのは稀です。「白夜行」と「秘密」は好き。あと、エンターテイメントとして好きなのは「天空の蜂」かな。この作家の書いたものはどれも好き!って思えないあたりが、東野圭吾はプロなんだなあと感じられて逆に作家に好感が持てますが、作品をあまり愛せない、っていう感じです)


 さて、じゃあ医師じゃなくってただの営業である私は、「全力を尽くす」と「何もしない」以外の選択肢を勿論持っているわけです。「8割ぐらいで仕事して早く帰る」日もあるし、売上数字によってお客様に対する優先順位を付け、その順位が下位になっちゃうお客様には、5割くらいの力で仕事をしたりする。
 そのどちらが良いというわけではないし、職業の違いから仕方がないことだと思うのですが、「医者になりたい」というわけではなく、「全力で何かをしたい」と思うことはあります。
 別にそれは仕事でなくてもいいんですが、プライベートでその「全力投球」なものを見つけた場合には、仕事は、事務とかパートとか、絶対定時に帰れてプライベートを脅かさないものがベストなんだろうなぁと思います。
 今のところ、それが見つからなくてふらふらしている状態なので、適度に大変で適度にハイリターンな総合職で仕事をしてますけど。(そして8月からも同系統で転職しますけど)

 少しずつ、「自分にベストな働き方」を見つけたいと思います。「何がしたい」っていう明確な夢がなくて、「どういう生活したい」っていう夢も明確に描かないまま就職しちゃったから、いまだに社会人になってモラトリアムにいろいろ探してしまっているんだと思うと反省点も多々ありますが。
 まあ基本的にそうるは自分に肯定的なので、今のこの時間も「必要」なんだと割り切って、職を転ずる次第であります。

 しかし、こうやって何か書くのは好きだな。だからこうしてつらつらと幾つもブログやってるんだろうけど(笑)





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2010/03/21

「赤い指」@東野圭吾

こんにちは。そうるです。
週末の更新が日課みたいになってきました。
本の感想なんて、読後いつまでも覚えていられるものじゃないので、こうして
記録したものを未来の自分が読んだら、おもしろいだろうなぁと思ったりしてます。

さて。

「赤い指」@東野圭吾


【あらすじ】(アマゾンより)
少女の遺体が住宅街で発見された。捜査上に浮かんだ平凡な家族。一体どんな悪夢が彼等を狂わせたのか。「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によって明かされなければならない」。刑事・加賀恭一郎の謎めいた言葉の意味は?家族のあり方を問う直木賞受賞後第一作。

【ひとこと抜き出すなら】
心の防波堤は壊れていた

【感想】
こんな家族いやだ。
読みながら、ずっと思っていました。
息子は引きこもり、妻は息子を怖がりつつも溺愛して大切なものを見失っている。そして主人公の夫は、その2人に強く出ることも、頼られることも認めてもらうこともない。さらに、そんな情けない主人公とともに暮らさなければならない祖母。

正当でまっとうで、「あるべき」姿から遠ざかってしまったいびつな家族。でも同時に、これに似た家族を築いてしまった人が、今の日本にはたくさんいるのではないかと思ったらゾっとしました。
大昔から、人間は当然のことのように結婚し、子供を産んで家族となり、社会を形成してきた。それは確かに簡単なことではないだろうし、誰もが自分の力の限りを尽くして取り組まなければならない事柄だと思うけれと、同時にそうしさえすれば(本気になりさえすれば)ほぼ多くの人が、多くの人の協力のもとに、なんとかこなすことができたことだ。

なのにどうして、今、こんなにもうまく家族を構築できない人が増えてしまったのだろう。
家族、っていう社会の最小構成単位がうまく出来上がっていなかったら、その上に立つ学校も職場も地域も、ひいては国も、うまくできあがるはずがない。

立派な学校に行かなくてもいい。高給取りにならなくてもいい。いじめのある学校に行ったっていい。わざわざ手を尽くして、社会の暗い部分を見ないで子供が育ってしまったら、大きくなって、それらを理解できない、視野の狭い子供になってしまうんじゃないだろうか。
ちゃんと、その子が生きている社会や自然の空気を、偏ることなく、ちゃんと平等に濃縮したところで育てたい。そしてその中から、自分は何が好きで、何を学び、将来何を糧にしたいのか。自身で取捨選択してほしい。

まあまだ子供なんて産んだことない、20代前半のそうるだけど、ふとそんなことを思った本です。


抜き出した一言は、主人公の夫が妻に負け、子供可愛さに明らかに歪んだことに手を染めようとしたとき。
まっとうな感情と理性を持っていればとうていできないようなことをしでかそうとした最後の瞬間に、
「できない」と膝を折る瞬間の描写です。

歪な社会を構築してしまったとしても、その社会は構成員の心の歪さが掛け合わさって歪みを増長させてしまっているだけであって、1人1人の精神がその歪さを背負いこめるわけはないのです。
多くの部分が真っ当な精神でつくられていた主人子は、歪な結末を受け入れることができなかった。

歪か、真っ当か。

究極の二択を迫られたときに、常に良心が命じる方を選べるように。
自分のポジティブな心が望む方を選べるように。
正しいと、胸を張れる結末を呼べるように。



頭がいい人より、優しい人より、笑顔が素敵な人より。
精神が健康で元気な人。

これから日本が求める人は、そういう人だと思うんだ。




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「天使の耳」
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「11文字の殺人」
「秘密」


2010/03/13

天使の耳@東野圭吾

こんにちは。
お母さんから大量に借りた東野圭吾も、やっと最後の1冊です。
今回は珍しく短編集。
短編集って、どうしても緊張が1冊続かないからか苦手で、借りでもしないと読まないので
珍しい機会なんですが。

「天使の耳」@東野圭吾



【あらすじ】(アマゾンより)
天使の耳をもつ美少女が兄の死亡事故を解明。

深夜の交差点で衝突事故が発生。信号を無視したのはどちらの車か!?死んだドライバーの妹が同乗していたが、少女は目が不自由だった。しかし、彼女は交通警察官も経験したことがないような驚くべく方法で兄の正当性を証明した。日常起こりうる交通事故がもたらす人々の運命の急転を活写した連作ミステリー。

【一言抜き出すなら】
法律ほんの少し何かがズレるだけで、敵にも味方にもなる。彼女は自分の身を投げ出して、その分離帯を越えたのだ。

【感想】
東野圭吾はプロだ。
それが、この本を通して読んだ、私真っ先の感想でした。
こんなこと、誰だって今さらだよって思うと思うのですが。
小説を書くって、好きでしている人が何人もいると思うんです。
趣味とか、投稿の範囲まで数えたらそれこそびっくりするくらいの数の人が、自分だけの物語を創っていると思う。
でも、プロってそうやって、自分の物語を創れるだけじゃだめで。
どんな題材でもちゃんと物語れる。どんな題材でも、自分の中に情報を溜めて、咀嚼して、消化して、蒸留して、この角度だっていう物語の骨組みを組んで、その上に最初に溜めた情報を肉付けして創る。
好きなジャンルとか、好きな傾向に偏らず、どんな題材でもエンターテイメント性ある(つまり魅力のある)
作品に仕上げることができる東野圭吾は、プロだ、と思いました。

「白夜行」のような、押し殺した感情の行きつく徹底したシリアスも書ける。
「容疑者Xの献身」のような、大衆的なミステリーに人情を存分に加味したものも書ける。
「秘密」のような、非日常のSFの世界と、だからこそ個人の感情やウっ屈を存分に魅せるものも書ける。
そしてこの「天使の耳」は、短編6編を全て読者がとっても身近に感じる警察である、「交通警察」を題材にしてひと癖ふた癖あるストーリーに仕立て上げている。

プロだ。

1つ1つの作品は、正直「墓まで持っていきたい」ほど好きではないけれど、東野圭吾はまちかいなく、現代を代表する商業的プロの小説家だと思う。

「創作する分野でのプロ」ってものを、私は本当に尊敬する。



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「ウインクで乾杯」@東野圭吾
「さまよう刃」@東野圭吾
「11文字の殺人」@東野圭吾
「秘密」@東野圭吾

2010/02/21

ウインクで乾杯@東野圭吾

こんにちは、そうるです。

さくっと要旨だけまとめて短文で言いたいことを伝えられる文章に憧れます。
まあ、そんなことを気にせずに書きたいことを書きたいだけ書いた文章というのが書き手にとっては心地よいのが事実なんですけど。

さて、またしてもこの人。


「ウインクで乾杯」@東野圭吾




【あらすじ】(アマゾンより)
パーティ・コンパニオン小田香子は恐怖のあまり声も出なかった。仕事先のホテルの客室で、同僚牧村絵里が、毒入りビールを飲んで死んでいた。現場は完全な密室、警察は自殺だというが…。やがて絵里の親友由加利が自室で扼殺され、香子にまで見えざる魔の手が迫ってきた…。誰が、なぜ、何のために…。ミステリー界の若き旗手が放つ長編本格推理の傑作。

【ひとこと抜き出すなら】
あたし、全然疲れないわよ。だって玉の輿に乗るためだもの。どんな苦労だって平気。

【感想】
殺した人の心情が入ってこないミステリーで、すごい軽いタッチでした。
ミステリー!!って思って読んだら拍子抜けするんじゃないかな…

登場人物は代わりにすごく魅力的で、これシリーズもんなんじゃないかと一瞬思ったほどです。
さて抜き出したひとことも、本筋とはほとんど関係ないひとこと。
こんなに自分をひたむきにできる夢があったらいいなあーっと思っただけです。
たとえそれが「玉の輿」っていう、ちょっと社会的に不純なものでも、そしてその夢を、親しい中の相手にとはいえ、こんなに堂々と言えるっていうのはかっこいいなぁと思いました。

そうるも、自分のやりたいことが「実を結ばないかもしれないし」とか思って怖がって、今すごい普通に社会人で平日は仕事行って、休日は予定が合えば彼氏とデートして…っていう生活を送っていますが、そんな日常なんか吹き飛ばして、全部懸けて夢に向かうだけの根性があればなぁ…って思ってるんです。実は。

…でもこわい。1人暮らしだし、ちゃんとした生活したいし、彼氏に会いたいし、言い訳だってわかってるけど。むーん。

今回はちょっと短め。






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「さまよう刃」@東野圭吾
「11文字の殺人」@東野圭吾
「秘密」@東野圭吾

さまよう刃@東野圭吾

こんにちは、そうるです。
週末更新2冊目です。
…つい一つの記事を長く書いてしまう性質(タチ)なので、溜めるのはよくないなぁと痛感。

さて、今回はまたしてもこの人。


「さまよう刃」@東野圭吾



【あらすじ】(アマゾンより)
自分の子供が殺されたら、あなたは復讐しますか?
長峰重樹の娘、絵摩の死体が荒川の下流で発見される。犯人を告げる一本の密告電話が長峰の元に入った。それを聞いた長峰は半信半疑のまま、娘の復讐に動き出す――。遺族の復讐と少年犯罪をテーマにした問題作。

【ひとこと抜き出すなら】
どんな理由があろうとも、人殺しなんかしちゃいけない。それはわかっています。許されることじゃない。

【感想】
一気に読んでしまいました。
1人娘を殺されたお父さんが、もう奥さんも昔に死んでしまってて他に家族もいなくて、娘を殺した若者2人のうち1人を殺し、もう1人を探しに行く話です。
被害者でもあり加害者でもあるこのお父さんが主人公で、なんとしてでも「自分の手でかたきを討つ」の執念で変装し、隠れ、あてのない捜索をする話なのですが。
題材として今の日本の警察やメディアの姿勢やら少年法の意義なんてものが絡んできて、お父さんの行動が日本中の注目の的になってしまいます。
別にまわりがなんやらかんやら言っててもいいんです。小説の題材が犯罪の周囲のことにあるのなら、それをどれだけ丁寧に書いたっていい。
でも、メインはお父さんの気持ちです。抜き出した言葉の通り、殺人はだめだってわかってて、してはいけないことだって分かってて、でも殺さずに黙って何もしないなんて耐えられない遺族の気持ちと行動です。それは、すごく個人的なもので、勝手な気持ちで、ただ悲しくて悔しくて許せないから、殺したくて若者を追ってるって設定にしてほしかったな、というのが唯一の惜しいところです。
私の勝手な感想なのであれてすが、
「警察に任せられないから」「今の少年法が若者をしっかりと裁いてくれる、適量な罰を与えてくれるとは思えないから」だから、若者を追うんだとお父さんは作中で何度も言っています。
その科白に、違和感を感じてしまいました。

少年法で守られようが、罰が少なかろうが、それがこの国が定める「適量な罰」なのです。でもじゃあ、法律で死刑になるって分かり切ってたら、お父さんは黙って待ってたのでしうか。警察が若者を捕まえるまで、その日ひたすら楽しみにただ何もしないで待ってたでしょうか。
そうじゃないと思うんです。
結局、自分が自分の手でなにかしらの仕返しをしたくて、動き出すんじゃないかな、と思うんです。
それが、単独での仕返しか、警察に助力するかの違いになるだけで。
この登場人物のお父さんが、性格や境遇を考えても、ただ黙ってるだけなんてそぐわない。
だから、ひとことだけ。
少年法とか関係ない、死刑にならないとか関係なく、自分の手で殺したいってそう思うんです。と、
言ってほしかったなぁと思います。


…エゴでまみれた愛が、いちばんキレイだと思う私の偏見ですが。




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「11文字の殺人」@東野圭吾
「秘密」@東野圭吾

2010/02/07

11文字の殺人@東野圭吾

こんにちは。そうるです。
せっかくの日曜日ですが、作業が残っているので私服で会社に来ています。
しかし全然やる気が出ない…明日はもう月曜日だし、早く終わらせて早く帰らなくちゃ、とは
思っているんですけどね…(笑)

さてこんな感じで昨日も会社に来ていたので、「通勤読書」は止まりません。
今回は、「11文字の殺人」@東野圭吾 です。

お母さんがミーハーで、東野圭吾の本ばかり「お勧め♪」とか言いながら突き付けてくるので、
暫く、本来のそうるの趣味からはずれた読書が続きそうです。
まあ、ちょっとばかし趣味じゃなくてなんとなく読んでいる方が、
客観的にもなれるし電車も降り過ごさないし、感想も書きやすいんですけれども。

さてそんなわけで、


「11文字の殺人」@東野圭吾




【あらすじ】
「気が小さいのさ」あたしが覚えている彼の最後の言葉だ。あたしの恋人が殺された。彼は最近「狙われている」と怯えていた。そして、彼の遺品の中から、大切な資料が盗まれた。女流推理作家のあたしは、編集者の冬子とともに真相を追う。しかし彼を接点に、次々と人が殺されて…。サスペンス溢れる本格推理力作。

【ひとこと抜き出すなら】
「女性問題では困らされることも多いけれど、いざという時に命賭けの仕事をできるバイタリティをあたしは愛したのだ」

【感想】
もともとあまりミステリとか推理小説のファンではないので、正直に言うとあまり好みではありませんでした。
登場人物が10人以上あれやこれやと出てきてしまうと、誰が誰なのかごちゃごちゃになってしまうという、私の読書力のなさ(だからミステリがあまり好きではない)が完全に裏目に出ました。
なんとかストーリーを追っていくだけで精一杯で、細部の趣向やアリバイのち密さをほとんど読み込むことができませんでした。でも、2読する気にもなれないので、このまま感想を書いてしまおうと思います。
まぁ、確かに結末は「あれ」と思わず手を止めたくらいには意外でしたが。

それより、私が唸ったのは、抜き出した一言です。
これは、犯人の動機に繋がる大事な一言なのですが、事件の内容とか動機とかはどうでもよく、この科白そのものにすごく力があるな、と。

だってこんな科白、女性の方が自分の仕事に自信とプライドを持って、相手の男性のことを、一人の人間とか異性とかだけではなく、「一人のビジネスマン」として対等に見ていないと言えない。
寧ろ、女性問題で困らされるなんて、「異性」とか「彼氏」として付き合うには完全にアウトであるはずなのに、その大きな問題をカバーできるくらい「愛すべきビジネスマン的バイタリティ」があるなんて。

よく、「仕事仲間は恋愛対象に見られない」という話を聞きます。どれだけ仕事人として一人前でかっこよくて頼りになっても、それと「性的魅力」や「生涯の伴侶としての魅力」は別モノだというわけで、その弁を支持する人が多いことは事実です。
でも現実に社内恋愛して結婚する人だって大勢いるわけで、恋愛可不可の線引きは人それぞれだし、どんな関係性のある相手だって、好きになってしまったら理屈なんて関係ない、ともよく言われる言葉ですが。

でもこの科白の主は、逆に社内恋愛しかできないんじゃないか、と思わせられます。
男として、パ―トナーとして失格でも、「仕事に命を賭けられるバイタリティ」を愛しているから構わないだなんて。
「好き」なら他は見えなくなってしまうものだとはいえ、「男として」より「社会人として」の愛が優先されるような愛し方なんてあるのだな、と目から鱗が落ちた気分です。

…自分に、そんな恋愛ができる気はさらさらありませんし、おそらく社会的にもマイノリティだとは思いますが。でも小説の中では、どんな嗜好だって描けます。
ストーリーそのものは好みでなくても、やはり東野さんは数をこなす職業小説家で、手持ちの世界の幅が広いんだな、と痛感し納得した次第です。




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 ・「秘密」@東野圭吾


2010/02/01

秘密@東野圭吾

おはようございます。
はじめまして。そうる というものです。
毎朝毎晩、通勤しながら読んでいる小説やらなんやらの本を、せっかく読んだのだから記録していきたいと思います。

まず1冊目。

「秘密」 @東野圭吾




【あらすじ】
妻と小学五年生を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだ筈の妻だった──。

【ひとこと抜き出すなら】
ー自分が愛する者にとって幸せな道を選ぶー

【感想】
物語中盤、その後のストーリーを激変させるカギになったひとことですが、それ以上に「愛」を理想的な言葉に置き換えるとしたらこうなるのではないかな、と思います。
好きな人には幸せになってほしい、とか。
君の幸せを願っている、とか。
ありきたりで良く聞く言葉ですが、異性として好きな人、愛している人が、自分の隣でないところを望んでいたり、はたまた相応しかったりするというのはどういう気分なのだろうと思います。
このセリフを、本気で吐ける人なんかいないと思っていたのですが。
こういうSFチックな環境だったら、アリなんじゃないかと思わせられたりもして。

やっぱり「愛」って普遍じゃないんだなぁ、知ってたけど。なんて改めて考えさせられた1冊です。
ハッピーエンドではないので、ご注意くださいませ。




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