最近のオススメ(記事へは左のリストからどうぞ)

ラベル 村山由佳 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 村山由佳 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2010/09/04

「BAD KIDS」@村山由佳

「BAD KIDS」@村山由佳 (1997/06刊)
【あらすじ】(「BOOK」データベース より)
20歳も年上のカメラマンとの関係に苦悩する都は高校の写真部長。彼女が絶好の被写体と狙いをつけた隆之は、ラグビー部の同性のチームメイトに秘かな恋心を抱いていた。傷つき悩みながら、互いにいたわりあうふたり。やがて、それぞれに決断の時を迎える。愛に悩み、性に惑いながらもひたむきに生きる18歳の、等身大の青春像をみずみずしいタッチで描く長編小説。


【一言抜き出すなら】
挫折って、たとえばどんなふうにですか?

【感想】
高校生。
どんな道でも選べるとき。
どの道が正しいのか分からない時。

なんだかうまく感想が言えませんが、何を選んでも、外から見ただけでは、それを良いとも悪いとも絶対に決めつけられないのだ、ということを改めて教えられました。

「そんな道を選ぶんじゃない。必ず失敗して、とんでもない挫折を味わうことになる。そうなってしまった生徒を先生は何人も見てきたんだ」
みたいなことを言われた後の、都の返しが最高にかっこいい。

「挫折って、たとえばどんなふうにですか? 詳しく教えていただかないと、なにしろ私は未熟なので分からないんです」

知らないことは、悪いことじゃない。精一杯やることが、自分の持てるものを信じて我武者羅になることが、なにより大切なのだ!!!

(85点.あたたかい話だった。)


応援お願いします!
人気ブログランキングへ

「翼 cry for the moon」@村山由佳

「翼 cry for the moon」@村山由佳 (2002/06刊)
【あらすじ】(「BOOK」データベース より)
父の自殺、学校での苛め、母には徹底的に拒まれて…。N.Y.大学の学生、篠崎真冬は心に深い傷を抱えて生きてきた。恋人、ラリーの幼い息子ティムも、実の母親から虐待を受けて育った子供だった。自分の居場所を求めて模索し幸せを掴みかけたその時、真冬にさらなる過酷な運命が襲いかかる。舞台は広大なアリゾナの地へ。傷ついた魂は再び羽ばたくことができるのか。自由と再生を求める感動長編。


【一言抜き出すなら】
こんなふうに考えること自体が傲慢さとすれすれだという気がするからだ。

【感想】
これでもか、これでもか、と不幸が訪れる主人公、真冬。
その中で、ぐれず、真摯に、真面目に、なんとしてでも自力で全てを超えて、自分だけの安らぎの地を見つけようとする物語です。

こんなに不幸に見舞われるのは絶対にイヤだけど、その中で、こういう風に生きていけたらいいなぁと思う、真冬は私の一つの理想の形です。

必死に生きるって大切だよなあと思う。こういう話を読むたびに。
適当に生きているつもりは無いけれど、でもこういう物語の主人公みたいに必死に生きているかと聞かれたら、絶対に答えはNOだ。

(87点.こうやって人を大切にする人になりたい。)


応援お願いします!
人気ブログランキングへ

2010/08/15

「夜明けまで1マイル」@村山由佳

「夜明けまで1マイル」@村山由佳 (2005/1刊)
【あらすじ】(「BOOK」データベースより)
教授と学生。これはフリンなんかじゃない、恋だ。僕らの青春は、ちぎれそうだが、真っ直ぐ走るしかない…。僕たちそれぞれ、忘れられない恋!最新青春恋愛小説。


【一言抜き出すなら】
自分に居留守を使う

【感想】
若い時。まだ働いていない大学生の時。
自分が何になるかまだ決まっていなくて、「アーティスト」になることをほんのり夢見ている時。
アーティストじゃなくても、画家でも作家でも俳優でも、一般的に言う「就職」とは別の道を夢見ていたことがある人は多いんじゃないかと思う。
そうるも、一時「作家になりたいなあ」って思っていたこともあったし、投稿まがいのことをしていた時もあった。
その時の、夢と恋愛の両立とか、仲間との関係とか、心と感情の居場所なんかを懐かしく思い出させてくれるお話でした。
どんなことだって自分の糧になる時期だからこそ、「自分に居留守を使う」ことだけはしてはいけない。
たしかになあ、と納得しつつ、若いなあ、と感心しつつ。


(75点.思い出にしてしまわないで、もう一度頑張りたいとも思いつつ)




応援お願いします!
人気ブログランキングへ

2010/07/26

「海を抱く -BAD KIDS-」@村山由佳

「海を抱く –BAD KIDS-」@村山由佳 (2003/9刊)
【あらすじ】(「BOOK」データベースより)
超高校級サーファーであり誰とでも寝る軽いやつと風評のある光秀。一方、まじめで成績優秀、校内随一の優等生の恵理。接点のほとんどない二人がある出来事をきっかけに性的な関係をもつようになる。それは互いの欲望を満たすだけの関わり、のはずだった。それぞれが内に抱える厳しい現実と悩み、それは体を重ねることで癒されていくのか。真摯に生きようとする18歳の心と体を描く青春長編小説。


【一言抜き出すなら】
言うつもりもないのに口から出たんなら、それこそ本心ってことじゃない

【感想】
 村山さんの昔の小説って優しい。
 懐かしい学生時代の恋愛を、それも登場人物たちにしてみれば等身大のどろどろでいやらしくて汚いお話を、けれどちょっと上から見下ろして、「綺麗な思い出」の一つになるように書いてる。ああ、大変なことがあったけれど、でもこの子たちは、トラウマになったりしないでまっすぐ進んでくだろうな、っていう感じ。
 なので、「ダブルファンタジー」では大泣きしちゃったけど、(そしてそれから村山さんにはまっているわけだけれど)通勤の電車の中でも心穏やかに読める。どこがどうなっていくのかは勿論気になるし、あっ!!て思って昔を思い出すようなシーンもあるけれど、ちゃんと「懐かしい」として処理できる。

 上に抜き出した、「言うつもりもないのに口から出たんなら、それこそ本心ってことじゃない」の一言も、今でもついついそうるがやらかしていまう、子供特有の部分で、直していかないといかないなって思う。
 本心っていうのは誰もが持っている。
 そしてそれを口から出すと、傷つくかもしれない人がいる。
 でも伝えたい、どうしても分かってほしい時に、時と場所を選んで、できるだけ傷つかないように、相手がまっすぐ受け止められるように、最善のお膳立てをする努力を行なわないといけない。
 それを怠ってしまった時。
 何にも通じなくなってしまう。本音は本当の事だから、正しくていつでも許されるってわけじゃない。

(85点。もう一冊の姉妹本も読みたいな。)




応援お願いします!
人気ブログランキングへ

2010/07/06

「すべての雲は銀の…」(下)@村山由佳

こんにちは、そうるです。
昼になりまして、あと今日の間にすることが何にもなくなってしまった…と思います。
はやく有給消化に入りたい。それが終わったら、新しい会社で楽しく働くんだ!(たぶん)

「すべての雲は銀の…」(下) @村山由佳 (2004/4刊)
【あらすじ】(「BOOK」データベースより)
宿を整え、厨房を手伝い、動物の世話をする。訪れるのは不登校の少女や寂しい老人、夢を追う花屋の娘たち…。人々との出会い、自然と格闘する日々が、少しずつ祐介を変えていく。一方、瞳子は夫の消息を追ってエジプトへ。もう一度誰かを愛せる日は来るのだろうか―。壊れかけた心にやさしく降りつもる物語。


【一言抜き出すなら】
私が幸せかどうかは、私だけが知っていればいいこと

【感想】
「ダブル・ファンタジー」には及ばなかったな…
 というのがまず感想です。
 まあ、2004年刊の本作を、5年後発刊の「ダブル・ファンタジー」と比べることがナンセンスなんですけど。
でも、この作家さんが5年後に「ダブル・ファンタジー」を書くのだと思うと、そうるとしての「好み!」はあくまで今の村山由佳なので、これからこの人が何をどういう風に書いてきたのか、合間を縫うように読んでいきたいです。
高校生くらいの時は、ごてごての恋愛小説を書く人、として村山由佳を毛嫌い(読まず嫌い)していたのですが、今この人の小説に感情移入出来ちゃうってことは、そうるの恋愛方面がちゃんと全うに成長してきたってことになるんですかね(笑)

ストーリーとしては、「落ち着くべき場所」に落ち着きすぎたかな、と思うところが少し。最近ミステリばっかり読んでいたので、最後にどんでん返しがなくてつまらなく感じちゃったのかもしれません。
綺麗すぎるくらい綺麗に纏まってる感じ。

ただ、最後に突然、主人公の祐介が「今のままじゃ嫌だ、今の中途半端なまま安穏としている自分にあと1秒も我慢できない。自己嫌悪で叫びだしたくなる」といったような意味の一文があり、これまでずっと逃避してきた安全な場所から一気に飛び出そうとするシーンがあるのですが、この瞬間、この心理、何がトリガ―なのか自分でも明確には言えないのだけれど、でも本当にイキナリ駆けだしたくなるこの心理の描写が、「私もこんな時あったな」とすごくたくさんのことを思い出しました。
そうして飛び出したことで、そうるはこれまでたくさんの人に迷惑を掛けてきたし呆れられもしたし悲しませたりもしてきたのですが、でもそうるは「我慢できなかった」自分、その先の「不確かな違う場所」に進むことを決めた私を誰より自分で認めたいと思っています。こういう自分が好きとか嫌いではなく、「ある日突然飛び出しがちな人」だと認めて、飛び出した先にあるものが良かろうと悪かろうとちゃんと責任もって受け止めていこう、前だけ見ていこう、と思います。飛び出してしまったものを後からぐちぐち言ってくさくさすることほどかっこ悪いことはない、とも思いますし。

まあこんな風にそうるは考えてるんですが、「ダブル・ファンタジー」を読んだ人なら(おい、影響受けすぎだよ!)って思ってると思います。
それだけ、私にとってあの主人公の奈津はかっこよかったんです。正にこういう風に考えて生きていきたい!!って感じでした。

でも、青春の一幕としては本作の祐介もとてもかっこよく、親近感が持てました。夢物語ではないけど、ありえる思い出としての綺麗さがあるかな、と。畑や温泉、動物たちの描写と併せて、すごく綺麗で懐かしい雰囲気がしました。

90点!(恋愛って素敵だなぁ)



この本面白そうかなって思った方★
応援お願いします!

人気ブログランキングへ

__⇒同じ作家の別の本
 ・「すべての雲は銀の…」(上)@村山由佳
 ・「W/F ダブルファンタジー」@村山由佳

「すべての雲は銀の…」(上)@村山由佳

おはようございます、そうるです。
今日、鞄に文庫本入れてくるの忘れました。。。精力的にいろいろと読もうと思っていた矢先のことなので少なからずショックです。ちぇ。

というわけで、週末と月曜日で一気に読んでしまったのがこちら。

「すべての雲は銀の…」(上) @村山由佳 (2004/4刊)


【あらすじ】(「BOOK」データベースより)
恋人由美子の心変わりの相手が兄貴でさえなかったら、ここまで苦しくはなかったのかもしれない。傷心の祐介は、大学生活から逃れるように、信州菅平の宿「かむなび」で働き始める。頑固だが一本筋の通った園主、子連れでワケありの瞳子…。たくましく働く明るさの奥に、誰もが言い知れぬ傷みを抱えていた。

【一言抜き出すなら】
冷たい足先を、奴のひざの間に差し入れて

【感想】
大学生の失恋、というありがちな挫折。恋人を盗られたのが兄だというのはちょっと珍しいけれど、でも20歳そこそこの時に、一番感情の振れ幅が大きくなるのはやっぱり恋愛なのかな、と思いました。
 登場人物はどれもできすぎているくらい「人間らしい」感じがしましたが、でもそのキャラクター達がごくごく自然に動き、話しているので(台詞回しはものすごく上手いと思いました)違和感、というものは殆ど感じなかったです。
 エピソードはどれもちょっとばかり「できすぎた」感じがしたのですが、年が近い所為か、一言抜き出した「冷たい足先を相手の膝の間に差し入れて眠る」元彼女の癖、というのが印象に残りました。
上手くいっているカップルには、きっと似たようなちょっとしたお決まりの仕草があって、別れた時にはその仕草が思い出される度にやりきれない気持がはちきれそうになって…と思いつつ読んでいたら、主人公に感情移入してしまいました。

 …88点! (下巻に期待大です)



この本面白そうかなって思った方★応援お願いします!人気ブログランキングへ

__⇒同じ作家の別の本
 ・「W/F ダブルファンタジー」@村山由佳

2010/03/13

「ダブルファンタジー」@村山由佳

こんにちは。そうるです。
満を持して、最近一番泣いてしまった本の紹介です。

「ダブルファンタジー」@村山由佳



【あらすじ】(アマゾンより)
奈津・三十五歳、脚本家。尊敬する男に誘われ、家を飛び出す。“外の世界”に出て初めてわかった男の嘘、夫の支配欲、そして抑圧されていた自らの性欲の強さ―。もう後戻りはしない。女としてまだ間に合う間に、この先どれだけ身も心も燃やし尽くせる相手に出会えるだろう。何回、脳みそまで蕩けるセックスができるだろう。そのためなら―そのためだけにでも、誰を裏切ろうが、傷つけようがかまわない。「そのかわり、結果はすべて自分で引き受けてみせる」。

【一言抜き出すなら】
でかした!!

【感想】
泣きました。
セックスの描写は濃厚で、でも終始女性視点で、本人はどれだけの人と寝ようが全然悪いとは思っていなくて。
でも、夫を捨てて家を出奔するシーンで、主人公の奈津に感情移入して、泣きました。
もう夫への愛は冷めてて、情しか残ってなくて。でも夫で、自分のことを大切に思ってくれてて。
でも、愛が冷めて、女としても、脚本家としてもこの男と一緒にいたらだめだとしか思えなかったら、もう出ていくしかなくて。

どれだけでも奈津の方が悪くて、自分ばっかりで、夫に何かしらの裏切りの事実があるわけでもなんでもないのに、丁寧に描かれた奈津の心情にシンクロしてしまいました。
ちょっとでも自分の力で立とう、さらに上に行こう、って思ってる人。つまり全ての女の人は、奈津なんじゃないかと思う。
内助の功って言うけど、妻が夫を支えるっていうけど、そんなのは前時代的で、このご時世、2人とも立ちながらどれだけお互いに立ち支えられるかなんだから、女だって、「自分にはこの人じゃだめだ」って思ったら、自分の未来のためだけに出奔したくなって当然だと思う。
こういう風に夫を捨てたいわけじゃないけど、これくらいちゃんと、自分の未来を大切にして生きていきたいなぁって思う。

ついでに抜き出した「でかした!」って言うのは、
主人公の奈津が夫を捨てて家を飛びだして、その足で別の男(業界で名のある魅力的な男)と不倫したことを女友達に報告した時の、その女友達の反応。
けなすもんか、幻滅するものか、手を叩いて褒め称えなくてどうする。
だってそれは、奈津が「現状を失いたくない守り」ではなくて、「これからの自分のために最善だと思ったと」をちゃんと実行したってことなんだから。

余談ですが、【あらすじ】として紹介した文章も好きです。
「すべて自分で引き受けてみせる」って、どれだけ強い言葉だろう、って思う。

ここ最近のイチオシです。
あぁ、社会とか自立とかどろどろした恋愛に、感情移入できる年齢になってしまった。