おはようございます。そうるです。
少し前に読んだものが溜まってきてしまいました。
さて、よく映画化される人気の伊坂幸太郎さんですが、遅まきながら、初めて読んでみました。
「重力ピエロ」@伊坂幸太郎
【あらすじ】(アマゾンより)
連続放火事件の現場に残された謎のグラフィティアート。無意味な言葉の羅列に見える落書きは、一体何を意味するのか?キーワードは、放火と落書きと遺伝子のルール。とある兄弟の物語。
【一言抜き出すなら】
赤の他人が、父親面するんじゃねえよ
【感想】
軽快なタッチだからか、謎が多くて且つ暗い過去のある登場人物が多く出てくる割に、すらすらと読み進めることができました。
お母さんが、近所の強姦魔に襲われて、その結果できたのが自分。
お母さんも、戸籍上のお父さんも、半分しか血の繋がらないお兄さんも、分け隔てなく自分を家族として見て、接してくれる。
その状態で育った時、人はどれぐらいまっとうで、どれぐらい歪んでしまうのか。勿論、同じ境遇で育った人が皆同じように考えるわけではないだろうし、これはあくまで伊坂さんの考えた捻じれであり、執着であり、ゴールなんだと思うけれど。
どうしても感情移入はできなかったけれど、家族として幸せで、不自由は無くて、でもそうやって最初の出自が少し歪んでしまうだけで、こんなにも普通で無いものを背負った人が出来てしまうんだな、と思いました。
親とか子どもって、単純な構造なのに本当に難しい。
抜き出した一言は、そうやって生まれてしまった自分(弟)が、最後の最後に自分の出自とかこだわりとか、憎しみとかに決着を付ける台詞です。
ああ、伊坂さんは、この一言を言わせたかったんだろうな、って思った。それだけ、力のある言葉だと感じました。
この一言のために書いた!!っていう言葉がある作品っていうのは、作者のこだわりとか執着とか、「何が書きたい、どういうシーンが書きたい」っていうのが分かりやすく伝わってくるので好きだな、と感じます。
2010/06/18
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