こんにちは。そうるです。
週末の更新が日課みたいになってきました。
本の感想なんて、読後いつまでも覚えていられるものじゃないので、こうして
記録したものを未来の自分が読んだら、おもしろいだろうなぁと思ったりしてます。
さて。
「赤い指」@東野圭吾
【あらすじ】(アマゾンより)
少女の遺体が住宅街で発見された。捜査上に浮かんだ平凡な家族。一体どんな悪夢が彼等を狂わせたのか。「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によって明かされなければならない」。刑事・加賀恭一郎の謎めいた言葉の意味は?家族のあり方を問う直木賞受賞後第一作。
【ひとこと抜き出すなら】
心の防波堤は壊れていた
【感想】
こんな家族いやだ。
読みながら、ずっと思っていました。
息子は引きこもり、妻は息子を怖がりつつも溺愛して大切なものを見失っている。そして主人公の夫は、その2人に強く出ることも、頼られることも認めてもらうこともない。さらに、そんな情けない主人公とともに暮らさなければならない祖母。
正当でまっとうで、「あるべき」姿から遠ざかってしまったいびつな家族。でも同時に、これに似た家族を築いてしまった人が、今の日本にはたくさんいるのではないかと思ったらゾっとしました。
大昔から、人間は当然のことのように結婚し、子供を産んで家族となり、社会を形成してきた。それは確かに簡単なことではないだろうし、誰もが自分の力の限りを尽くして取り組まなければならない事柄だと思うけれと、同時にそうしさえすれば(本気になりさえすれば)ほぼ多くの人が、多くの人の協力のもとに、なんとかこなすことができたことだ。
なのにどうして、今、こんなにもうまく家族を構築できない人が増えてしまったのだろう。
家族、っていう社会の最小構成単位がうまく出来上がっていなかったら、その上に立つ学校も職場も地域も、ひいては国も、うまくできあがるはずがない。
立派な学校に行かなくてもいい。高給取りにならなくてもいい。いじめのある学校に行ったっていい。わざわざ手を尽くして、社会の暗い部分を見ないで子供が育ってしまったら、大きくなって、それらを理解できない、視野の狭い子供になってしまうんじゃないだろうか。
ちゃんと、その子が生きている社会や自然の空気を、偏ることなく、ちゃんと平等に濃縮したところで育てたい。そしてその中から、自分は何が好きで、何を学び、将来何を糧にしたいのか。自身で取捨選択してほしい。
まあまだ子供なんて産んだことない、20代前半のそうるだけど、ふとそんなことを思った本です。
抜き出した一言は、主人公の夫が妻に負け、子供可愛さに明らかに歪んだことに手を染めようとしたとき。
まっとうな感情と理性を持っていればとうていできないようなことをしでかそうとした最後の瞬間に、
「できない」と膝を折る瞬間の描写です。
歪な社会を構築してしまったとしても、その社会は構成員の心の歪さが掛け合わさって歪みを増長させてしまっているだけであって、1人1人の精神がその歪さを背負いこめるわけはないのです。
多くの部分が真っ当な精神でつくられていた主人子は、歪な結末を受け入れることができなかった。
歪か、真っ当か。
究極の二択を迫られたときに、常に良心が命じる方を選べるように。
自分のポジティブな心が望む方を選べるように。
正しいと、胸を張れる結末を呼べるように。
頭がいい人より、優しい人より、笑顔が素敵な人より。
精神が健康で元気な人。
これから日本が求める人は、そういう人だと思うんだ。
- - - ⇒同じ作家の別の本
・「天使の耳」
・「ウインクで乾杯」
・「さまよう刃」
・「11文字の殺人」
・「秘密」
2010/03/21
2010/03/13
「ダブルファンタジー」@村山由佳
こんにちは。そうるです。
満を持して、最近一番泣いてしまった本の紹介です。
「ダブルファンタジー」@村山由佳
【あらすじ】(アマゾンより)
奈津・三十五歳、脚本家。尊敬する男に誘われ、家を飛び出す。“外の世界”に出て初めてわかった男の嘘、夫の支配欲、そして抑圧されていた自らの性欲の強さ―。もう後戻りはしない。女としてまだ間に合う間に、この先どれだけ身も心も燃やし尽くせる相手に出会えるだろう。何回、脳みそまで蕩けるセックスができるだろう。そのためなら―そのためだけにでも、誰を裏切ろうが、傷つけようがかまわない。「そのかわり、結果はすべて自分で引き受けてみせる」。
【一言抜き出すなら】
でかした!!
【感想】
泣きました。
セックスの描写は濃厚で、でも終始女性視点で、本人はどれだけの人と寝ようが全然悪いとは思っていなくて。
でも、夫を捨てて家を出奔するシーンで、主人公の奈津に感情移入して、泣きました。
もう夫への愛は冷めてて、情しか残ってなくて。でも夫で、自分のことを大切に思ってくれてて。
でも、愛が冷めて、女としても、脚本家としてもこの男と一緒にいたらだめだとしか思えなかったら、もう出ていくしかなくて。
どれだけでも奈津の方が悪くて、自分ばっかりで、夫に何かしらの裏切りの事実があるわけでもなんでもないのに、丁寧に描かれた奈津の心情にシンクロしてしまいました。
ちょっとでも自分の力で立とう、さらに上に行こう、って思ってる人。つまり全ての女の人は、奈津なんじゃないかと思う。
内助の功って言うけど、妻が夫を支えるっていうけど、そんなのは前時代的で、このご時世、2人とも立ちながらどれだけお互いに立ち支えられるかなんだから、女だって、「自分にはこの人じゃだめだ」って思ったら、自分の未来のためだけに出奔したくなって当然だと思う。
こういう風に夫を捨てたいわけじゃないけど、これくらいちゃんと、自分の未来を大切にして生きていきたいなぁって思う。
ついでに抜き出した「でかした!」って言うのは、
主人公の奈津が夫を捨てて家を飛びだして、その足で別の男(業界で名のある魅力的な男)と不倫したことを女友達に報告した時の、その女友達の反応。
けなすもんか、幻滅するものか、手を叩いて褒め称えなくてどうする。
だってそれは、奈津が「現状を失いたくない守り」ではなくて、「これからの自分のために最善だと思ったと」をちゃんと実行したってことなんだから。
余談ですが、【あらすじ】として紹介した文章も好きです。
「すべて自分で引き受けてみせる」って、どれだけ強い言葉だろう、って思う。
ここ最近のイチオシです。
あぁ、社会とか自立とかどろどろした恋愛に、感情移入できる年齢になってしまった。
満を持して、最近一番泣いてしまった本の紹介です。
「ダブルファンタジー」@村山由佳
【あらすじ】(アマゾンより)
奈津・三十五歳、脚本家。尊敬する男に誘われ、家を飛び出す。“外の世界”に出て初めてわかった男の嘘、夫の支配欲、そして抑圧されていた自らの性欲の強さ―。もう後戻りはしない。女としてまだ間に合う間に、この先どれだけ身も心も燃やし尽くせる相手に出会えるだろう。何回、脳みそまで蕩けるセックスができるだろう。そのためなら―そのためだけにでも、誰を裏切ろうが、傷つけようがかまわない。「そのかわり、結果はすべて自分で引き受けてみせる」。
【一言抜き出すなら】
でかした!!
【感想】
泣きました。
セックスの描写は濃厚で、でも終始女性視点で、本人はどれだけの人と寝ようが全然悪いとは思っていなくて。
でも、夫を捨てて家を出奔するシーンで、主人公の奈津に感情移入して、泣きました。
もう夫への愛は冷めてて、情しか残ってなくて。でも夫で、自分のことを大切に思ってくれてて。
でも、愛が冷めて、女としても、脚本家としてもこの男と一緒にいたらだめだとしか思えなかったら、もう出ていくしかなくて。
どれだけでも奈津の方が悪くて、自分ばっかりで、夫に何かしらの裏切りの事実があるわけでもなんでもないのに、丁寧に描かれた奈津の心情にシンクロしてしまいました。
ちょっとでも自分の力で立とう、さらに上に行こう、って思ってる人。つまり全ての女の人は、奈津なんじゃないかと思う。
内助の功って言うけど、妻が夫を支えるっていうけど、そんなのは前時代的で、このご時世、2人とも立ちながらどれだけお互いに立ち支えられるかなんだから、女だって、「自分にはこの人じゃだめだ」って思ったら、自分の未来のためだけに出奔したくなって当然だと思う。
こういう風に夫を捨てたいわけじゃないけど、これくらいちゃんと、自分の未来を大切にして生きていきたいなぁって思う。
ついでに抜き出した「でかした!」って言うのは、
主人公の奈津が夫を捨てて家を飛びだして、その足で別の男(業界で名のある魅力的な男)と不倫したことを女友達に報告した時の、その女友達の反応。
けなすもんか、幻滅するものか、手を叩いて褒め称えなくてどうする。
だってそれは、奈津が「現状を失いたくない守り」ではなくて、「これからの自分のために最善だと思ったと」をちゃんと実行したってことなんだから。
余談ですが、【あらすじ】として紹介した文章も好きです。
「すべて自分で引き受けてみせる」って、どれだけ強い言葉だろう、って思う。
ここ最近のイチオシです。
あぁ、社会とか自立とかどろどろした恋愛に、感情移入できる年齢になってしまった。
ラベル:
村山由佳
天使の耳@東野圭吾
こんにちは。
お母さんから大量に借りた東野圭吾も、やっと最後の1冊です。
今回は珍しく短編集。
短編集って、どうしても緊張が1冊続かないからか苦手で、借りでもしないと読まないので
珍しい機会なんですが。
「天使の耳」@東野圭吾
【あらすじ】(アマゾンより)
天使の耳をもつ美少女が兄の死亡事故を解明。
深夜の交差点で衝突事故が発生。信号を無視したのはどちらの車か!?死んだドライバーの妹が同乗していたが、少女は目が不自由だった。しかし、彼女は交通警察官も経験したことがないような驚くべく方法で兄の正当性を証明した。日常起こりうる交通事故がもたらす人々の運命の急転を活写した連作ミステリー。
【一言抜き出すなら】
法律ほんの少し何かがズレるだけで、敵にも味方にもなる。彼女は自分の身を投げ出して、その分離帯を越えたのだ。
【感想】
東野圭吾はプロだ。
それが、この本を通して読んだ、私真っ先の感想でした。
こんなこと、誰だって今さらだよって思うと思うのですが。
小説を書くって、好きでしている人が何人もいると思うんです。
趣味とか、投稿の範囲まで数えたらそれこそびっくりするくらいの数の人が、自分だけの物語を創っていると思う。
でも、プロってそうやって、自分の物語を創れるだけじゃだめで。
どんな題材でもちゃんと物語れる。どんな題材でも、自分の中に情報を溜めて、咀嚼して、消化して、蒸留して、この角度だっていう物語の骨組みを組んで、その上に最初に溜めた情報を肉付けして創る。
好きなジャンルとか、好きな傾向に偏らず、どんな題材でもエンターテイメント性ある(つまり魅力のある)
作品に仕上げることができる東野圭吾は、プロだ、と思いました。
「白夜行」のような、押し殺した感情の行きつく徹底したシリアスも書ける。
「容疑者Xの献身」のような、大衆的なミステリーに人情を存分に加味したものも書ける。
「秘密」のような、非日常のSFの世界と、だからこそ個人の感情やウっ屈を存分に魅せるものも書ける。
そしてこの「天使の耳」は、短編6編を全て読者がとっても身近に感じる警察である、「交通警察」を題材にしてひと癖ふた癖あるストーリーに仕立て上げている。
プロだ。
1つ1つの作品は、正直「墓まで持っていきたい」ほど好きではないけれど、東野圭吾はまちかいなく、現代を代表する商業的プロの小説家だと思う。
「創作する分野でのプロ」ってものを、私は本当に尊敬する。
- - - ⇒同じ作家の別の本
・「ウインクで乾杯」@東野圭吾
・「さまよう刃」@東野圭吾
・「11文字の殺人」@東野圭吾
・「秘密」@東野圭吾
お母さんから大量に借りた東野圭吾も、やっと最後の1冊です。
今回は珍しく短編集。
短編集って、どうしても緊張が1冊続かないからか苦手で、借りでもしないと読まないので
珍しい機会なんですが。
「天使の耳」@東野圭吾
【あらすじ】(アマゾンより)
天使の耳をもつ美少女が兄の死亡事故を解明。
深夜の交差点で衝突事故が発生。信号を無視したのはどちらの車か!?死んだドライバーの妹が同乗していたが、少女は目が不自由だった。しかし、彼女は交通警察官も経験したことがないような驚くべく方法で兄の正当性を証明した。日常起こりうる交通事故がもたらす人々の運命の急転を活写した連作ミステリー。
【一言抜き出すなら】
法律ほんの少し何かがズレるだけで、敵にも味方にもなる。彼女は自分の身を投げ出して、その分離帯を越えたのだ。
【感想】
東野圭吾はプロだ。
それが、この本を通して読んだ、私真っ先の感想でした。
こんなこと、誰だって今さらだよって思うと思うのですが。
小説を書くって、好きでしている人が何人もいると思うんです。
趣味とか、投稿の範囲まで数えたらそれこそびっくりするくらいの数の人が、自分だけの物語を創っていると思う。
でも、プロってそうやって、自分の物語を創れるだけじゃだめで。
どんな題材でもちゃんと物語れる。どんな題材でも、自分の中に情報を溜めて、咀嚼して、消化して、蒸留して、この角度だっていう物語の骨組みを組んで、その上に最初に溜めた情報を肉付けして創る。
好きなジャンルとか、好きな傾向に偏らず、どんな題材でもエンターテイメント性ある(つまり魅力のある)
作品に仕上げることができる東野圭吾は、プロだ、と思いました。
「白夜行」のような、押し殺した感情の行きつく徹底したシリアスも書ける。
「容疑者Xの献身」のような、大衆的なミステリーに人情を存分に加味したものも書ける。
「秘密」のような、非日常のSFの世界と、だからこそ個人の感情やウっ屈を存分に魅せるものも書ける。
そしてこの「天使の耳」は、短編6編を全て読者がとっても身近に感じる警察である、「交通警察」を題材にしてひと癖ふた癖あるストーリーに仕立て上げている。
プロだ。
1つ1つの作品は、正直「墓まで持っていきたい」ほど好きではないけれど、東野圭吾はまちかいなく、現代を代表する商業的プロの小説家だと思う。
「創作する分野でのプロ」ってものを、私は本当に尊敬する。
- - - ⇒同じ作家の別の本
・「ウインクで乾杯」@東野圭吾
・「さまよう刃」@東野圭吾
・「11文字の殺人」@東野圭吾
・「秘密」@東野圭吾
ラベル:
東野圭吾
プリズム@貫井徳郎
こんにちは。そうるです。
さて、再びの貫井さんブームが来たようで、早速2冊目です。
今回は、「小説」という表現手法をとてつもなく魅力的に扱った作品だと思います。
こちら。
「プリズム」@貫井徳郎
【あらすじ】(アマゾンより)
小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された。彼女の同僚が容疑者として浮かび上がり、事件は容易に解決を迎えるかと思われたが……。万華鏡の如く変化する事件の様相、幾重にも繰り返される推理の構築と崩壊。究極の推理ゲームの果てに広がる瞠目の地平とは?『慟哭』の作者が本格ミステリの極限に挑んで話題を呼んだ衝撃の問題作。
【一言抜き出すなら】
好きだった先生が殺された夜でも、ふだんと変わりなく眠くなるのが不思議だった。
【感想】
この本は、本当に推理「ゲーム」です。
推理することを楽しむ本。
推理することがメインすぎて、誰が犯人でもどうでもよくなってしまった本です。
主人公は、(一応)小学生の男の子。
担任の女の先生が死んでしまって、その事件の真相を確かめようとクラスメイトと探偵じみたことをするのですがそれはあくまで子供の好奇心の一部。個人的な怨恨や損得が絡んでいるわけではないから、子供たちは推理にのめりこみつつ、どこか事件に対しては冷めています。
それは、生死の概念が薄いことも相まって、時に酷薄な印象を与えます。
それが、抜き出した一文です。
愛していた人でも、殺したいほど憎んでいた人でもない、ただ「好きだった先生」が突然死んでしまって、「死」って理不尽なんだとはじめて実感した子供の、単純な夜。生死について考え込むことも、犯人を恨むこともない。
貫井さんの描く子供は、私の理想的な子供です。
社会に染まらず、自分の感情をすべての物差しとして動く子供。
それでいて、すべてにおいて諦めず、なんとかして希望の結果を表わそうと持てる全ての力を現実に費やす子供。
こんな風に生きられたら、と思います。
社会なんて、世間体なんて関係ないと。
私はこうしたいんだと、体を動かせるようになりたい。
自分に何ができてできないのか、できることを正確に把握し、その中で精いっぱいにもがきたい。
こどもでいたい。
誰だっけ、諦めるのが大人のすることだなんて、やけにかっこよくウンチクたれてたヤツ。
- - -⇒同じ作家の別の本
「失踪症候群」@貫井徳郎
さて、再びの貫井さんブームが来たようで、早速2冊目です。
今回は、「小説」という表現手法をとてつもなく魅力的に扱った作品だと思います。
こちら。
「プリズム」@貫井徳郎
【あらすじ】(アマゾンより)
小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された。彼女の同僚が容疑者として浮かび上がり、事件は容易に解決を迎えるかと思われたが……。万華鏡の如く変化する事件の様相、幾重にも繰り返される推理の構築と崩壊。究極の推理ゲームの果てに広がる瞠目の地平とは?『慟哭』の作者が本格ミステリの極限に挑んで話題を呼んだ衝撃の問題作。
【一言抜き出すなら】
好きだった先生が殺された夜でも、ふだんと変わりなく眠くなるのが不思議だった。
【感想】
この本は、本当に推理「ゲーム」です。
推理することを楽しむ本。
推理することがメインすぎて、誰が犯人でもどうでもよくなってしまった本です。
主人公は、(一応)小学生の男の子。
担任の女の先生が死んでしまって、その事件の真相を確かめようとクラスメイトと探偵じみたことをするのですがそれはあくまで子供の好奇心の一部。個人的な怨恨や損得が絡んでいるわけではないから、子供たちは推理にのめりこみつつ、どこか事件に対しては冷めています。
それは、生死の概念が薄いことも相まって、時に酷薄な印象を与えます。
それが、抜き出した一文です。
愛していた人でも、殺したいほど憎んでいた人でもない、ただ「好きだった先生」が突然死んでしまって、「死」って理不尽なんだとはじめて実感した子供の、単純な夜。生死について考え込むことも、犯人を恨むこともない。
貫井さんの描く子供は、私の理想的な子供です。
社会に染まらず、自分の感情をすべての物差しとして動く子供。
それでいて、すべてにおいて諦めず、なんとかして希望の結果を表わそうと持てる全ての力を現実に費やす子供。
こんな風に生きられたら、と思います。
社会なんて、世間体なんて関係ないと。
私はこうしたいんだと、体を動かせるようになりたい。
自分に何ができてできないのか、できることを正確に把握し、その中で精いっぱいにもがきたい。
こどもでいたい。
誰だっけ、諦めるのが大人のすることだなんて、やけにかっこよくウンチクたれてたヤツ。
- - -⇒同じ作家の別の本
「失踪症候群」@貫井徳郎
ラベル:
貫井徳郎
失踪症候群@貫井徳郎
お久しぶりです。そうるです。
またしても既読書をためこんでしまいしまた…
さて最近読み終わったのがこちら。
「失踪症候群」@貫井徳郎
【あらすじ】(アマゾンより)
「真梨子が緊急入院したのよ、自殺未遂かもしれないって…」 原田は呼んでも一向に応えない娘に強く語りかけた。何でこんなことを…。ミステリファン待望の長篇・第3作。
【ひとこと抜き出すなら】
親からは逃げられても、自分の人生から逃げることできません。
【感想】
貫井さんを読んだのは久しぶりです。
以前にも私の中でブームが来ていた時期があって多く読んだのですが、どれもこれもヘビーな内容なので、すべての既刊本を読破する前に疲れてしまった覚えがあります。
鬱やドラッグや、世間や親や学歴や学校や。今の日本に生きていれば誰もが必ず持ってる社会との軋轢を、どうしても過重に感じ、溺れ、このままでは埒が明かなくなってしまった人が貫井さんの話には多く登場します。
そんな人たちに半ば同調しつつ、このようにはなりたくないとも思いつつ、けれど充分に感情移入してしまいつつ読むのが、私にとっての貫井さんです。
さて今回は、互いの戸籍を取りかえることで社会からの開放を図った20歳前後の若者たちと、別件の事件が絡んで不思議な話を作り出しています。
別件の事件は解決するのですが、多くの戸籍を取り替えてしまった人たちを目にして、主人公の警官は上記のような科白で締めくくります。
はっと、同世代の私としては身につまされる思いがした科白です。
家族や、学校や、塾なんてものはともすれば自分で選んだものではないかもしれない。親に与えられたものや、最初から身の周りにあったものかもしれない。それらからストレスを与えられ、自分が自分らしくいられないことは確かに理不尽と感じるだろうし、捨てたいとも思うだろう。
けどそうして捨てた後の(戸籍を取り替えた後の)人生は、今度こそ自分で引き受けるしかない。
どのような職に就こうと、どんな上司がいようと誰と結婚しようとどんな子供が生まれようと、それは自分が取捨選択して歩いてきた道で、思い通りにいかなかったからってまた簡単に「取り替える」わけになんていかない。
社会人1年目として、これまでのしがらみとか親とかほとんど関係なく、自分の力でなんとか自立ってもんをしていかないといけないんだとそろそろ実感して不安になったりもしているこのごろ。
「自分の人生からは逃げられない」という一言は、あまりに当然すぎる一言とはいえ、誰も私を肩代わりしたり、別の自分を差し出してくれたりするわけではないのだと思い知った次第です。
…だから、やれるだけのことをやらなきゃいけないんだよね。
またしても既読書をためこんでしまいしまた…
さて最近読み終わったのがこちら。
「失踪症候群」@貫井徳郎
【あらすじ】(アマゾンより)
「真梨子が緊急入院したのよ、自殺未遂かもしれないって…」 原田は呼んでも一向に応えない娘に強く語りかけた。何でこんなことを…。ミステリファン待望の長篇・第3作。
【ひとこと抜き出すなら】
親からは逃げられても、自分の人生から逃げることできません。
【感想】
貫井さんを読んだのは久しぶりです。
以前にも私の中でブームが来ていた時期があって多く読んだのですが、どれもこれもヘビーな内容なので、すべての既刊本を読破する前に疲れてしまった覚えがあります。
鬱やドラッグや、世間や親や学歴や学校や。今の日本に生きていれば誰もが必ず持ってる社会との軋轢を、どうしても過重に感じ、溺れ、このままでは埒が明かなくなってしまった人が貫井さんの話には多く登場します。
そんな人たちに半ば同調しつつ、このようにはなりたくないとも思いつつ、けれど充分に感情移入してしまいつつ読むのが、私にとっての貫井さんです。
さて今回は、互いの戸籍を取りかえることで社会からの開放を図った20歳前後の若者たちと、別件の事件が絡んで不思議な話を作り出しています。
別件の事件は解決するのですが、多くの戸籍を取り替えてしまった人たちを目にして、主人公の警官は上記のような科白で締めくくります。
はっと、同世代の私としては身につまされる思いがした科白です。
家族や、学校や、塾なんてものはともすれば自分で選んだものではないかもしれない。親に与えられたものや、最初から身の周りにあったものかもしれない。それらからストレスを与えられ、自分が自分らしくいられないことは確かに理不尽と感じるだろうし、捨てたいとも思うだろう。
けどそうして捨てた後の(戸籍を取り替えた後の)人生は、今度こそ自分で引き受けるしかない。
どのような職に就こうと、どんな上司がいようと誰と結婚しようとどんな子供が生まれようと、それは自分が取捨選択して歩いてきた道で、思い通りにいかなかったからってまた簡単に「取り替える」わけになんていかない。
社会人1年目として、これまでのしがらみとか親とかほとんど関係なく、自分の力でなんとか自立ってもんをしていかないといけないんだとそろそろ実感して不安になったりもしているこのごろ。
「自分の人生からは逃げられない」という一言は、あまりに当然すぎる一言とはいえ、誰も私を肩代わりしたり、別の自分を差し出してくれたりするわけではないのだと思い知った次第です。
…だから、やれるだけのことをやらなきゃいけないんだよね。
ラベル:
貫井徳郎
2010/02/21
ウインクで乾杯@東野圭吾
こんにちは、そうるです。
さくっと要旨だけまとめて短文で言いたいことを伝えられる文章に憧れます。
まあ、そんなことを気にせずに書きたいことを書きたいだけ書いた文章というのが書き手にとっては心地よいのが事実なんですけど。
さて、またしてもこの人。
「ウインクで乾杯」@東野圭吾
【あらすじ】(アマゾンより)
パーティ・コンパニオン小田香子は恐怖のあまり声も出なかった。仕事先のホテルの客室で、同僚牧村絵里が、毒入りビールを飲んで死んでいた。現場は完全な密室、警察は自殺だというが…。やがて絵里の親友由加利が自室で扼殺され、香子にまで見えざる魔の手が迫ってきた…。誰が、なぜ、何のために…。ミステリー界の若き旗手が放つ長編本格推理の傑作。
【ひとこと抜き出すなら】
あたし、全然疲れないわよ。だって玉の輿に乗るためだもの。どんな苦労だって平気。
【感想】
殺した人の心情が入ってこないミステリーで、すごい軽いタッチでした。
ミステリー!!って思って読んだら拍子抜けするんじゃないかな…
登場人物は代わりにすごく魅力的で、これシリーズもんなんじゃないかと一瞬思ったほどです。
さて抜き出したひとことも、本筋とはほとんど関係ないひとこと。
こんなに自分をひたむきにできる夢があったらいいなあーっと思っただけです。
たとえそれが「玉の輿」っていう、ちょっと社会的に不純なものでも、そしてその夢を、親しい中の相手にとはいえ、こんなに堂々と言えるっていうのはかっこいいなぁと思いました。
そうるも、自分のやりたいことが「実を結ばないかもしれないし」とか思って怖がって、今すごい普通に社会人で平日は仕事行って、休日は予定が合えば彼氏とデートして…っていう生活を送っていますが、そんな日常なんか吹き飛ばして、全部懸けて夢に向かうだけの根性があればなぁ…って思ってるんです。実は。
…でもこわい。1人暮らしだし、ちゃんとした生活したいし、彼氏に会いたいし、言い訳だってわかってるけど。むーん。
今回はちょっと短め。
- - - ⇒同じ作家の別の本
・「さまよう刃」@東野圭吾
・「11文字の殺人」@東野圭吾
・「秘密」@東野圭吾
さくっと要旨だけまとめて短文で言いたいことを伝えられる文章に憧れます。
まあ、そんなことを気にせずに書きたいことを書きたいだけ書いた文章というのが書き手にとっては心地よいのが事実なんですけど。
さて、またしてもこの人。
「ウインクで乾杯」@東野圭吾
【あらすじ】(アマゾンより)
パーティ・コンパニオン小田香子は恐怖のあまり声も出なかった。仕事先のホテルの客室で、同僚牧村絵里が、毒入りビールを飲んで死んでいた。現場は完全な密室、警察は自殺だというが…。やがて絵里の親友由加利が自室で扼殺され、香子にまで見えざる魔の手が迫ってきた…。誰が、なぜ、何のために…。ミステリー界の若き旗手が放つ長編本格推理の傑作。
【ひとこと抜き出すなら】
あたし、全然疲れないわよ。だって玉の輿に乗るためだもの。どんな苦労だって平気。
【感想】
殺した人の心情が入ってこないミステリーで、すごい軽いタッチでした。
ミステリー!!って思って読んだら拍子抜けするんじゃないかな…
登場人物は代わりにすごく魅力的で、これシリーズもんなんじゃないかと一瞬思ったほどです。
さて抜き出したひとことも、本筋とはほとんど関係ないひとこと。
こんなに自分をひたむきにできる夢があったらいいなあーっと思っただけです。
たとえそれが「玉の輿」っていう、ちょっと社会的に不純なものでも、そしてその夢を、親しい中の相手にとはいえ、こんなに堂々と言えるっていうのはかっこいいなぁと思いました。
そうるも、自分のやりたいことが「実を結ばないかもしれないし」とか思って怖がって、今すごい普通に社会人で平日は仕事行って、休日は予定が合えば彼氏とデートして…っていう生活を送っていますが、そんな日常なんか吹き飛ばして、全部懸けて夢に向かうだけの根性があればなぁ…って思ってるんです。実は。
…でもこわい。1人暮らしだし、ちゃんとした生活したいし、彼氏に会いたいし、言い訳だってわかってるけど。むーん。
今回はちょっと短め。
- - - ⇒同じ作家の別の本
・「さまよう刃」@東野圭吾
・「11文字の殺人」@東野圭吾
・「秘密」@東野圭吾
ラベル:
東野圭吾
さまよう刃@東野圭吾
こんにちは、そうるです。
週末更新2冊目です。
…つい一つの記事を長く書いてしまう性質(タチ)なので、溜めるのはよくないなぁと痛感。
さて、今回はまたしてもこの人。
「さまよう刃」@東野圭吾
【あらすじ】(アマゾンより)
自分の子供が殺されたら、あなたは復讐しますか?
長峰重樹の娘、絵摩の死体が荒川の下流で発見される。犯人を告げる一本の密告電話が長峰の元に入った。それを聞いた長峰は半信半疑のまま、娘の復讐に動き出す――。遺族の復讐と少年犯罪をテーマにした問題作。
【ひとこと抜き出すなら】
どんな理由があろうとも、人殺しなんかしちゃいけない。それはわかっています。許されることじゃない。
【感想】
一気に読んでしまいました。
1人娘を殺されたお父さんが、もう奥さんも昔に死んでしまってて他に家族もいなくて、娘を殺した若者2人のうち1人を殺し、もう1人を探しに行く話です。
被害者でもあり加害者でもあるこのお父さんが主人公で、なんとしてでも「自分の手でかたきを討つ」の執念で変装し、隠れ、あてのない捜索をする話なのですが。
題材として今の日本の警察やメディアの姿勢やら少年法の意義なんてものが絡んできて、お父さんの行動が日本中の注目の的になってしまいます。
別にまわりがなんやらかんやら言っててもいいんです。小説の題材が犯罪の周囲のことにあるのなら、それをどれだけ丁寧に書いたっていい。
でも、メインはお父さんの気持ちです。抜き出した言葉の通り、殺人はだめだってわかってて、してはいけないことだって分かってて、でも殺さずに黙って何もしないなんて耐えられない遺族の気持ちと行動です。それは、すごく個人的なもので、勝手な気持ちで、ただ悲しくて悔しくて許せないから、殺したくて若者を追ってるって設定にしてほしかったな、というのが唯一の惜しいところです。
私の勝手な感想なのであれてすが、
「警察に任せられないから」「今の少年法が若者をしっかりと裁いてくれる、適量な罰を与えてくれるとは思えないから」だから、若者を追うんだとお父さんは作中で何度も言っています。
その科白に、違和感を感じてしまいました。
少年法で守られようが、罰が少なかろうが、それがこの国が定める「適量な罰」なのです。でもじゃあ、法律で死刑になるって分かり切ってたら、お父さんは黙って待ってたのでしうか。警察が若者を捕まえるまで、その日ひたすら楽しみにただ何もしないで待ってたでしょうか。
そうじゃないと思うんです。
結局、自分が自分の手でなにかしらの仕返しをしたくて、動き出すんじゃないかな、と思うんです。
それが、単独での仕返しか、警察に助力するかの違いになるだけで。
この登場人物のお父さんが、性格や境遇を考えても、ただ黙ってるだけなんてそぐわない。
だから、ひとことだけ。
少年法とか関係ない、死刑にならないとか関係なく、自分の手で殺したいってそう思うんです。と、
言ってほしかったなぁと思います。
…エゴでまみれた愛が、いちばんキレイだと思う私の偏見ですが。
- - - ⇒同じ作家の別の本
・「11文字の殺人」@東野圭吾
・「秘密」@東野圭吾
週末更新2冊目です。
…つい一つの記事を長く書いてしまう性質(タチ)なので、溜めるのはよくないなぁと痛感。
さて、今回はまたしてもこの人。
「さまよう刃」@東野圭吾
【あらすじ】(アマゾンより)
自分の子供が殺されたら、あなたは復讐しますか?
長峰重樹の娘、絵摩の死体が荒川の下流で発見される。犯人を告げる一本の密告電話が長峰の元に入った。それを聞いた長峰は半信半疑のまま、娘の復讐に動き出す――。遺族の復讐と少年犯罪をテーマにした問題作。
【ひとこと抜き出すなら】
どんな理由があろうとも、人殺しなんかしちゃいけない。それはわかっています。許されることじゃない。
【感想】
一気に読んでしまいました。
1人娘を殺されたお父さんが、もう奥さんも昔に死んでしまってて他に家族もいなくて、娘を殺した若者2人のうち1人を殺し、もう1人を探しに行く話です。
被害者でもあり加害者でもあるこのお父さんが主人公で、なんとしてでも「自分の手でかたきを討つ」の執念で変装し、隠れ、あてのない捜索をする話なのですが。
題材として今の日本の警察やメディアの姿勢やら少年法の意義なんてものが絡んできて、お父さんの行動が日本中の注目の的になってしまいます。
別にまわりがなんやらかんやら言っててもいいんです。小説の題材が犯罪の周囲のことにあるのなら、それをどれだけ丁寧に書いたっていい。
でも、メインはお父さんの気持ちです。抜き出した言葉の通り、殺人はだめだってわかってて、してはいけないことだって分かってて、でも殺さずに黙って何もしないなんて耐えられない遺族の気持ちと行動です。それは、すごく個人的なもので、勝手な気持ちで、ただ悲しくて悔しくて許せないから、殺したくて若者を追ってるって設定にしてほしかったな、というのが唯一の惜しいところです。
私の勝手な感想なのであれてすが、
「警察に任せられないから」「今の少年法が若者をしっかりと裁いてくれる、適量な罰を与えてくれるとは思えないから」だから、若者を追うんだとお父さんは作中で何度も言っています。
その科白に、違和感を感じてしまいました。
少年法で守られようが、罰が少なかろうが、それがこの国が定める「適量な罰」なのです。でもじゃあ、法律で死刑になるって分かり切ってたら、お父さんは黙って待ってたのでしうか。警察が若者を捕まえるまで、その日ひたすら楽しみにただ何もしないで待ってたでしょうか。
そうじゃないと思うんです。
結局、自分が自分の手でなにかしらの仕返しをしたくて、動き出すんじゃないかな、と思うんです。
それが、単独での仕返しか、警察に助力するかの違いになるだけで。
この登場人物のお父さんが、性格や境遇を考えても、ただ黙ってるだけなんてそぐわない。
だから、ひとことだけ。
少年法とか関係ない、死刑にならないとか関係なく、自分の手で殺したいってそう思うんです。と、
言ってほしかったなぁと思います。
…エゴでまみれた愛が、いちばんキレイだと思う私の偏見ですが。
- - - ⇒同じ作家の別の本
・「11文字の殺人」@東野圭吾
・「秘密」@東野圭吾
ラベル:
東野圭吾
しにがみのバラッド。@ハセガワケイスケ
こんにちは、そうるです。
この週末はずっと37度くらいの微熱があって、ずっとお家にいました…
ひきこもりで、ハードディスクに溜めてたアニメ見てたりとかミクシィアプリ見てたりとかしてましたが、体調はあまり良くならず(泣)
明日からはまた会社で、悪化しないようにかんばりたいと思います。
体調悪いと、通勤中に本を読んでいると酔ってきちゃうのですが、それはそれで自分の体調のパロメータだと思うので(元気だといくらでも読める)気をつけて読みたいと思います!!
さて、今日はここ最近読み終わっても更新をさぼっていたのでまとめてやりますぞー
「しにがみのバラッド」@ハセガワケイスケ
はじめてのライトノベルですね。私自身はあんまりライトノベルは好きじゃないのですが、ハタチ越えてる弟が大好きですんごい「ラノベ(ライトノベル)はイイんだ」と主張するので、読まずに退けるのもいかがかと思い、たまに読んでます。(売れてそうなのをチョイスします。どうせならおもしろいのを読みたい!)
【あらすじ】(アマゾンより)
目を覚ますと、少女は死神でした。その少女は、死神でありながら、その真っ白な容姿ゆえに仲間から「変わり者」と呼ばれていました。しかし、少女の持つ巨大な鈍色の鎌は、まさしく死の番人のものです。少女の使命は人間の命を運ぶこと。死を司る黒き使者である少女は、仕え魔のダニエルと共に、人の魂を奪いにいくのです。死を司る少女は、様々な人と出会い、そして別れていきます。哀しくて、やさしいお話。
【ひとこと抜き出すなら】
「おまえは今回のリストに入ってないよ」
【感想】
正直に言って。
私はライトノベルより普通の小説の方が好きです。
まぁ嫌いではないし最後まで読んだのですが、特に何かを「得た」感じがなく、
一般的に小説すべてがそうだと言えばそれまでなんですが、でもやっぱり、「娯楽」だな、と。
…まあいいや。
抜き出したのは、自殺願望のある少年に、死神の使い魔が言った一言。
「おまえは、まだ死ねないんだよ」と。
これ、扱っている題材が「死」なので、まだ死なないというのは良いことなんだろうとは思いますが、これがもし「死」ではなかったらと思うと、すごく残酷な一言だな、と。
仮に登場人物が画家になりたいとか昇進して課長になりたいとか思って頑張っている時にふと突然現れた得体のしれない存在が、なんか人の運命みたいなものを知っている超越した存在で。
「おまえはなれないよ、無理だよ」とか言ってくれちゃったりとかしたら、すごくすごくショックで、1年は立ち直れない気がします。
それが「夢」なら尚更。
神のような存在ってこういう作り話だとすごくよく出てきますが、本当の神様ならまだしも、こういう人とほとんど変わらない、お友達感覚の存在からこんなこと言われたら、なんかもうすべてを投げ出して死にたくなってしまうと思う。
「おまえ人間じゃないからそんな残酷なこと言えるんだよ」って思うし
「運命とか信じてないから」とも思う。
ほぼ実らない確率の方が高いと思い知らされた後、果たして人って、私だったらとしたら、「限界までがんばることに意味があるんだ」と自分を鼓舞しなおして、再びその道でがんばることができるもんなんだろうか。
…ふと、そんなことを考えた本。
この週末はずっと37度くらいの微熱があって、ずっとお家にいました…
ひきこもりで、ハードディスクに溜めてたアニメ見てたりとかミクシィアプリ見てたりとかしてましたが、体調はあまり良くならず(泣)
明日からはまた会社で、悪化しないようにかんばりたいと思います。
体調悪いと、通勤中に本を読んでいると酔ってきちゃうのですが、それはそれで自分の体調のパロメータだと思うので(元気だといくらでも読める)気をつけて読みたいと思います!!
さて、今日はここ最近読み終わっても更新をさぼっていたのでまとめてやりますぞー
「しにがみのバラッド」@ハセガワケイスケ
はじめてのライトノベルですね。私自身はあんまりライトノベルは好きじゃないのですが、ハタチ越えてる弟が大好きですんごい「ラノベ(ライトノベル)はイイんだ」と主張するので、読まずに退けるのもいかがかと思い、たまに読んでます。(売れてそうなのをチョイスします。どうせならおもしろいのを読みたい!)
【あらすじ】(アマゾンより)
目を覚ますと、少女は死神でした。その少女は、死神でありながら、その真っ白な容姿ゆえに仲間から「変わり者」と呼ばれていました。しかし、少女の持つ巨大な鈍色の鎌は、まさしく死の番人のものです。少女の使命は人間の命を運ぶこと。死を司る黒き使者である少女は、仕え魔のダニエルと共に、人の魂を奪いにいくのです。死を司る少女は、様々な人と出会い、そして別れていきます。哀しくて、やさしいお話。
【ひとこと抜き出すなら】
「おまえは今回のリストに入ってないよ」
【感想】
正直に言って。
私はライトノベルより普通の小説の方が好きです。
まぁ嫌いではないし最後まで読んだのですが、特に何かを「得た」感じがなく、
一般的に小説すべてがそうだと言えばそれまでなんですが、でもやっぱり、「娯楽」だな、と。
…まあいいや。
抜き出したのは、自殺願望のある少年に、死神の使い魔が言った一言。
「おまえは、まだ死ねないんだよ」と。
これ、扱っている題材が「死」なので、まだ死なないというのは良いことなんだろうとは思いますが、これがもし「死」ではなかったらと思うと、すごく残酷な一言だな、と。
仮に登場人物が画家になりたいとか昇進して課長になりたいとか思って頑張っている時にふと突然現れた得体のしれない存在が、なんか人の運命みたいなものを知っている超越した存在で。
「おまえはなれないよ、無理だよ」とか言ってくれちゃったりとかしたら、すごくすごくショックで、1年は立ち直れない気がします。
それが「夢」なら尚更。
神のような存在ってこういう作り話だとすごくよく出てきますが、本当の神様ならまだしも、こういう人とほとんど変わらない、お友達感覚の存在からこんなこと言われたら、なんかもうすべてを投げ出して死にたくなってしまうと思う。
「おまえ人間じゃないからそんな残酷なこと言えるんだよ」って思うし
「運命とか信じてないから」とも思う。
ほぼ実らない確率の方が高いと思い知らされた後、果たして人って、私だったらとしたら、「限界までがんばることに意味があるんだ」と自分を鼓舞しなおして、再びその道でがんばることができるもんなんだろうか。
…ふと、そんなことを考えた本。
ラベル:
etc
2010/02/07
11文字の殺人@東野圭吾
こんにちは。そうるです。
せっかくの日曜日ですが、作業が残っているので私服で会社に来ています。
しかし全然やる気が出ない…明日はもう月曜日だし、早く終わらせて早く帰らなくちゃ、とは
思っているんですけどね…(笑)
さてこんな感じで昨日も会社に来ていたので、「通勤読書」は止まりません。
今回は、「11文字の殺人」@東野圭吾 です。
お母さんがミーハーで、東野圭吾の本ばかり「お勧め♪」とか言いながら突き付けてくるので、
暫く、本来のそうるの趣味からはずれた読書が続きそうです。
まあ、ちょっとばかし趣味じゃなくてなんとなく読んでいる方が、
客観的にもなれるし電車も降り過ごさないし、感想も書きやすいんですけれども。
さてそんなわけで、
「11文字の殺人」@東野圭吾
【あらすじ】
「気が小さいのさ」あたしが覚えている彼の最後の言葉だ。あたしの恋人が殺された。彼は最近「狙われている」と怯えていた。そして、彼の遺品の中から、大切な資料が盗まれた。女流推理作家のあたしは、編集者の冬子とともに真相を追う。しかし彼を接点に、次々と人が殺されて…。サスペンス溢れる本格推理力作。
【ひとこと抜き出すなら】
「女性問題では困らされることも多いけれど、いざという時に命賭けの仕事をできるバイタリティをあたしは愛したのだ」
【感想】
もともとあまりミステリとか推理小説のファンではないので、正直に言うとあまり好みではありませんでした。
登場人物が10人以上あれやこれやと出てきてしまうと、誰が誰なのかごちゃごちゃになってしまうという、私の読書力のなさ(だからミステリがあまり好きではない)が完全に裏目に出ました。
なんとかストーリーを追っていくだけで精一杯で、細部の趣向やアリバイのち密さをほとんど読み込むことができませんでした。でも、2読する気にもなれないので、このまま感想を書いてしまおうと思います。
まぁ、確かに結末は「あれ」と思わず手を止めたくらいには意外でしたが。
それより、私が唸ったのは、抜き出した一言です。
これは、犯人の動機に繋がる大事な一言なのですが、事件の内容とか動機とかはどうでもよく、この科白そのものにすごく力があるな、と。
だってこんな科白、女性の方が自分の仕事に自信とプライドを持って、相手の男性のことを、一人の人間とか異性とかだけではなく、「一人のビジネスマン」として対等に見ていないと言えない。
寧ろ、女性問題で困らされるなんて、「異性」とか「彼氏」として付き合うには完全にアウトであるはずなのに、その大きな問題をカバーできるくらい「愛すべきビジネスマン的バイタリティ」があるなんて。
よく、「仕事仲間は恋愛対象に見られない」という話を聞きます。どれだけ仕事人として一人前でかっこよくて頼りになっても、それと「性的魅力」や「生涯の伴侶としての魅力」は別モノだというわけで、その弁を支持する人が多いことは事実です。
でも現実に社内恋愛して結婚する人だって大勢いるわけで、恋愛可不可の線引きは人それぞれだし、どんな関係性のある相手だって、好きになってしまったら理屈なんて関係ない、ともよく言われる言葉ですが。
でもこの科白の主は、逆に社内恋愛しかできないんじゃないか、と思わせられます。
男として、パ―トナーとして失格でも、「仕事に命を賭けられるバイタリティ」を愛しているから構わないだなんて。
「好き」なら他は見えなくなってしまうものだとはいえ、「男として」より「社会人として」の愛が優先されるような愛し方なんてあるのだな、と目から鱗が落ちた気分です。
…自分に、そんな恋愛ができる気はさらさらありませんし、おそらく社会的にもマイノリティだとは思いますが。でも小説の中では、どんな嗜好だって描けます。
ストーリーそのものは好みでなくても、やはり東野さんは数をこなす職業小説家で、手持ちの世界の幅が広いんだな、と痛感し納得した次第です。
- - - ⇒ 同じ作家の別の本 の記事は此方
・「秘密」@東野圭吾
せっかくの日曜日ですが、作業が残っているので私服で会社に来ています。
しかし全然やる気が出ない…明日はもう月曜日だし、早く終わらせて早く帰らなくちゃ、とは
思っているんですけどね…(笑)
さてこんな感じで昨日も会社に来ていたので、「通勤読書」は止まりません。
今回は、「11文字の殺人」@東野圭吾 です。
お母さんがミーハーで、東野圭吾の本ばかり「お勧め♪」とか言いながら突き付けてくるので、
暫く、本来のそうるの趣味からはずれた読書が続きそうです。
まあ、ちょっとばかし趣味じゃなくてなんとなく読んでいる方が、
客観的にもなれるし電車も降り過ごさないし、感想も書きやすいんですけれども。
さてそんなわけで、
「11文字の殺人」@東野圭吾
【あらすじ】
「気が小さいのさ」あたしが覚えている彼の最後の言葉だ。あたしの恋人が殺された。彼は最近「狙われている」と怯えていた。そして、彼の遺品の中から、大切な資料が盗まれた。女流推理作家のあたしは、編集者の冬子とともに真相を追う。しかし彼を接点に、次々と人が殺されて…。サスペンス溢れる本格推理力作。
【ひとこと抜き出すなら】
「女性問題では困らされることも多いけれど、いざという時に命賭けの仕事をできるバイタリティをあたしは愛したのだ」
【感想】
もともとあまりミステリとか推理小説のファンではないので、正直に言うとあまり好みではありませんでした。
登場人物が10人以上あれやこれやと出てきてしまうと、誰が誰なのかごちゃごちゃになってしまうという、私の読書力のなさ(だからミステリがあまり好きではない)が完全に裏目に出ました。
なんとかストーリーを追っていくだけで精一杯で、細部の趣向やアリバイのち密さをほとんど読み込むことができませんでした。でも、2読する気にもなれないので、このまま感想を書いてしまおうと思います。
まぁ、確かに結末は「あれ」と思わず手を止めたくらいには意外でしたが。
それより、私が唸ったのは、抜き出した一言です。
これは、犯人の動機に繋がる大事な一言なのですが、事件の内容とか動機とかはどうでもよく、この科白そのものにすごく力があるな、と。
だってこんな科白、女性の方が自分の仕事に自信とプライドを持って、相手の男性のことを、一人の人間とか異性とかだけではなく、「一人のビジネスマン」として対等に見ていないと言えない。
寧ろ、女性問題で困らされるなんて、「異性」とか「彼氏」として付き合うには完全にアウトであるはずなのに、その大きな問題をカバーできるくらい「愛すべきビジネスマン的バイタリティ」があるなんて。
よく、「仕事仲間は恋愛対象に見られない」という話を聞きます。どれだけ仕事人として一人前でかっこよくて頼りになっても、それと「性的魅力」や「生涯の伴侶としての魅力」は別モノだというわけで、その弁を支持する人が多いことは事実です。
でも現実に社内恋愛して結婚する人だって大勢いるわけで、恋愛可不可の線引きは人それぞれだし、どんな関係性のある相手だって、好きになってしまったら理屈なんて関係ない、ともよく言われる言葉ですが。
でもこの科白の主は、逆に社内恋愛しかできないんじゃないか、と思わせられます。
男として、パ―トナーとして失格でも、「仕事に命を賭けられるバイタリティ」を愛しているから構わないだなんて。
「好き」なら他は見えなくなってしまうものだとはいえ、「男として」より「社会人として」の愛が優先されるような愛し方なんてあるのだな、と目から鱗が落ちた気分です。
…自分に、そんな恋愛ができる気はさらさらありませんし、おそらく社会的にもマイノリティだとは思いますが。でも小説の中では、どんな嗜好だって描けます。
ストーリーそのものは好みでなくても、やはり東野さんは数をこなす職業小説家で、手持ちの世界の幅が広いんだな、と痛感し納得した次第です。
- - - ⇒ 同じ作家の別の本 の記事は此方
・「秘密」@東野圭吾
ラベル:
東野圭吾
2010/02/06
頼子のために@法月綸太郎
こんばんは、そうるです。
金曜日に飲んで終電で帰ってきて、軽くシャワーを浴びて落ち着いたらこんな時間になってしまいました。
…終電って、本当に遅くなってしまいます。
まぁ、「終わりの電車」なんだから当然ですけど。
ちなみに今日は終電が乗り継ぎの関係で15分ほど遅れてきたので、最寄り駅に着いたらもう1時半近かったです。…ほんとに遅い。
さてついさっき、そんな終電で読み終わったのがこちらです。
「頼子のために」@法月綸太郎
【あらすじ】
「頼子が死んだ」。17歳の愛娘を殺された父親は、通り魔事件で片づけようとする警察に疑念を抱き、ひそかに犯人をつきとめて相手を刺殺、自らは死を選ぶ──という手記を残していた。手記を読んだ名探偵法月綸太郎が、事件の真相解明にのりだすと、やがて驚愕の展開が!精緻構成が冴える野心作。
【ひとこと抜き出すなら】
――私は自分のことを観念の化け物だと思っています。
【感想】
観念。
「プラトンに由来する語「イデア」の近世哲学以降の用法に対する訳語で、何かあるものに関するひとまとまりの意識内容のこと。元来は仏教用語。 - - Wikipedia」
ということで、何かあるものに対する個人の主観的な考えのこと、と捉えていいようです。
観念の化け物。この言葉の意味はこの本を最後まで読めば自ずと知れてくるのですが(ストーリー的に最大のキーになる科白なので)、この本を読んでいない状態でこの「観念の化け物」という言葉に出会ったとしたら、どういった印象を受けるだろう、とふと思いました。
この科白を吐いた登場人物は下半身が不自由で、ベッドの上での生活を余儀なくされています。
もしそういった状態になったとしたら、自分で歩くことができなくて、本当に小さな世界のことしかわからなくなって、世間的な常識とか客観的なこととかの比重が、きっとどんどん自分の中では小さくなっていくのではないか、という気がします。そうして、ベッドの上でアテなく考えているさまざまなことに思考が支配されて、それが妄想であれなにがしかの論理であれ、その思考が一般的にはどのような形で受け入れられるものなのかということなどには興味を示せなくなって、ただただ「自分がどう思うか、どう感じるか」といった一点のみが重要になってくるのではないか。
その状態をひとことで表した語句が「観念の化け物」なのではないか、と。
化け物だということは、もう観念でしかない存在で、自分の思考が何よりも大切で。それが他者にどんな影響を与えるのか、なんて、言いすぎれば「どうでもいい」わけで。
そんな、思考能力だけは成熟した大人のくせに、その回路が傍若無人で我儘なガキと同等になってしまった救いようのないこの科白の主に、でも何故か同情するし哀れに思えてしまう。
それは、下半身不随、という設定のためだけではなくて。
風邪を引いて寝込んだり入院してひとりきりだったり、誰にでも大なり小なりある不自由な時間を持て余したときに、覚えのある感情だからなのではないかと思う。
ネガティブなことを考えだしたら止まらなくて、自分で生み出したその思考に囚われて、自由の利かない体にいらついて、周囲の人の優しさまで根拠なく疑ってしまったりして。
観念。
定義の難しい言葉だけれど、こうして考えてみて、ちょっと飛躍するけれども、
ああ人間だなあ、なんて。
そんなことをふと思った真冬の夜さがり。
金曜日に飲んで終電で帰ってきて、軽くシャワーを浴びて落ち着いたらこんな時間になってしまいました。
…終電って、本当に遅くなってしまいます。
まぁ、「終わりの電車」なんだから当然ですけど。
ちなみに今日は終電が乗り継ぎの関係で15分ほど遅れてきたので、最寄り駅に着いたらもう1時半近かったです。…ほんとに遅い。
さてついさっき、そんな終電で読み終わったのがこちらです。
「頼子のために」@法月綸太郎
【あらすじ】
「頼子が死んだ」。17歳の愛娘を殺された父親は、通り魔事件で片づけようとする警察に疑念を抱き、ひそかに犯人をつきとめて相手を刺殺、自らは死を選ぶ──という手記を残していた。手記を読んだ名探偵法月綸太郎が、事件の真相解明にのりだすと、やがて驚愕の展開が!精緻構成が冴える野心作。
【ひとこと抜き出すなら】
――私は自分のことを観念の化け物だと思っています。
【感想】
観念。
「プラトンに由来する語「イデア」の近世哲学以降の用法に対する訳語で、何かあるものに関するひとまとまりの意識内容のこと。元来は仏教用語。 - - Wikipedia」
ということで、何かあるものに対する個人の主観的な考えのこと、と捉えていいようです。
観念の化け物。この言葉の意味はこの本を最後まで読めば自ずと知れてくるのですが(ストーリー的に最大のキーになる科白なので)、この本を読んでいない状態でこの「観念の化け物」という言葉に出会ったとしたら、どういった印象を受けるだろう、とふと思いました。
この科白を吐いた登場人物は下半身が不自由で、ベッドの上での生活を余儀なくされています。
もしそういった状態になったとしたら、自分で歩くことができなくて、本当に小さな世界のことしかわからなくなって、世間的な常識とか客観的なこととかの比重が、きっとどんどん自分の中では小さくなっていくのではないか、という気がします。そうして、ベッドの上でアテなく考えているさまざまなことに思考が支配されて、それが妄想であれなにがしかの論理であれ、その思考が一般的にはどのような形で受け入れられるものなのかということなどには興味を示せなくなって、ただただ「自分がどう思うか、どう感じるか」といった一点のみが重要になってくるのではないか。
その状態をひとことで表した語句が「観念の化け物」なのではないか、と。
化け物だということは、もう観念でしかない存在で、自分の思考が何よりも大切で。それが他者にどんな影響を与えるのか、なんて、言いすぎれば「どうでもいい」わけで。
そんな、思考能力だけは成熟した大人のくせに、その回路が傍若無人で我儘なガキと同等になってしまった救いようのないこの科白の主に、でも何故か同情するし哀れに思えてしまう。
それは、下半身不随、という設定のためだけではなくて。
風邪を引いて寝込んだり入院してひとりきりだったり、誰にでも大なり小なりある不自由な時間を持て余したときに、覚えのある感情だからなのではないかと思う。
ネガティブなことを考えだしたら止まらなくて、自分で生み出したその思考に囚われて、自由の利かない体にいらついて、周囲の人の優しさまで根拠なく疑ってしまったりして。
観念。
定義の難しい言葉だけれど、こうして考えてみて、ちょっと飛躍するけれども、
ああ人間だなあ、なんて。
そんなことをふと思った真冬の夜さがり。
ラベル:
法月綸太郎
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