【あらすじ】(「BOOK」データベース より) 避暑地にある別荘で、美人姉妹が隣り合わせた部屋で一人ずつ死体となって発見された。二つの部屋は、映写室と鑑賞室で、いずれも密室状態。遺体が発見されたときスクリーンには、まだ映画が…。おりしも嵐が襲い、電話さえ通じなくなる。S&Mシリーズナンバーワンに挙げる声も多い清冽な森ミステリィ。 |
【一言抜き出すなら】
言葉にはしなかったのではないかしら?
【感想】
驚いた…
森先生の作品(特にS&MとV)は頻繁に読んでいるので、犯人は当てられないまでも、たまげるようなラストが来ることもないだろうとたかをくくっていただけに、完全にしてやられました。
密室がどう、犯人がどう、動機がどう、などというミステリなら着目せざるをえないところをしっかり書きこみつつ、もっと小説として初歩的な、「読み物としての仕掛け」で騙された。
くそー、してやられた。
森ミステリィだな、って思う。
こうやって、「自分が物語を書いている」(語っているのではなくあくまで「書いている」)ことを客観的に自覚しながら書いていることが分かるからこそ、森先生の作品と作者の絶妙な距離感が堪らなく病みつきにさせるんだと思う。
それなりに小説を読んできた人だけが森先生にはまるのでは、と勝手に考察してみたり。
(88点.人生の一冊ではなくても珠玉の一冊。)
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