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2012/06/20

「鎮魂歌」@馳星周

「鎮魂歌」@馳星周 (2000/10刊)
【あらすじ】(「BOOK」データベース より)
新宿の街を震撼させたチャイナマフィア同士の銃撃事件から二年、警察の手すら届かない歌舞伎町の中国系裏社会を牛耳るのは、北京の崔虎、上海の朱宏、そして、銃撃事件で大金を手に入れた台湾の楊偉民だった。勢力図も安定したかと思われた矢先、崔虎の手下の大物幹部が狙撃され、歌舞伎町は再び不穏な空気に包まれた!崔虎は日本人の元刑事に犯人を探し出すよう命じるが、事態は思わぬ方向へと展開していく…。事件の混乱に乗じ、劉健一は生き残りを賭け、再び罠を仕掛けた!―驚異のデビュー作『不夜城』の二年後を描いた、傑作ロマンノワール。


【一言抜き出すなら】
怒りが消えた。深い悲しみが滝沢の全身を襲った。

【感想】
前作の方が面白かったかな、というのが最初の感想。 でも、あえて違う男が主人公で、前作の主人公に良いように弄ばれていて、彼からすれば前作の主人公が何を考えているのか全然分からなくて。 でも、前作を読んだからこそ、前主人公の描写が少なくたって、 彼のポーカーフェイスも、焦りも、復讐の想いも、他に生きがいが見つけられない焦燥も、結局何も変わらないという怒りも、ふつふつと伝わってきます。 そして、丁寧に描かれている今作の主人公の心理描写もあって、相変わらず新宿はいろいろなマフィアがごった返しにたむろしていて。 読み応えは十分にありました。  

 
(76点.積年の思いを叶える瞬間に、笑えないって悲しい。)


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