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2016/04/06

「獣の奏者 1」@上橋菜穂子

「獣の奏者 1」@上橋菜穂子 (2009/8刊)
【あらすじ】(「BOOK」データベース より)
リョザ神王国。闘蛇村に暮らす少女エリンの幸せな日々は、闘蛇を死なせた罪に問われた母との別れを境に一転する。母の不思議な指笛によって死地を逃れ、蜂飼いのジョウンに救われて九死に一生を得たエリンは、母と同じ獣ノ医術師を目指すが―。苦難に立ち向かう少女の物語が、いまここに幕を開ける。


【一言抜き出すなら】
母は、あのとき、エリンと一緒に生きてくれることより、死を選んだのだろうか…?

【感想】
とってもとっても好きな話です。
もう一度ブログをはじめようと、本棚から一番好きな本を取ってきて読み返しました。
1巻です。

エリンのように、思慮深く、物事を観察し、仮定と考察と検証を重ねる生活ができるというのは、並外れた才能だと思います。
ついつい私はだらっと、昨日と同じ今日を過ごしてしまっています。
反省しなければ…と思うのですが、エリンのその性質は、「ある日突然生活が一変して大好きな母が死んでしまった」からこそ、 二度と同じ様な突然の不幸に見舞われないように、周りを観察し、常に自分がどうすべきか考える癖がついたようにも見えて、 エリンが熱心に何かを考えるたびに、悲しい気持ちになってしまいます。

 

 
(93点.母は、私に何も知らせないまま逝ってしまった。獣とは、所詮心の奥底から繋がることはできない。)


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2016/04/04

「魔女の宅急便 5」@角野栄子

「魔女の宅急便 5」@角野栄子 (2013/11刊)
【あらすじ】(「BOOK」データベース より)
花の季節を迎えたコリコの町。19歳になったキキは、十代最後の年、二十代に繋がる何か…予感みたいなものがないかしら…と思いながら、日々を過ごしている。相変わらず、とんぼさんとの文通は続いており、直接会えないことにちょっぴり不満。そんな折、ずっと相棒だと思っていたジジにも、小さい白い猫の恋人ができる。だんだんとひとりで届け物に出かけることが多くなったキキは、初めての経験に不安が募るが…。


【一言抜き出すなら】
ひとりだけのお祝いです。でも体が、どこまでものびていくようなうれしい気持ちでした。

【感想】
いい気になってはいけません。 得意げになってはいけません。 見せびらかしてはいけません。 常に謙虚でい続けないと、いつ、その能力があなたを見限ってどこかへ飛んで行ってしまうかもしれません。 普通の、書く力とか、閃く力とか、考える力とか。…とても恐ろしい話です。
 

 
(90点.誰かとの将来を考えるってすてきなことですよね。。)


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もう一度

こんばんは、そうるです。

何年も前に書いていたこのブログから遠ざかると同時に、 読む本の量もがくっと減ってしまいました。
 その分、代わりに転職して仕事が忙しかったり、結婚したり引っ越したりと転機もあったのですが、 本を読まなくなるのは寂しいよなぁ、と最近改めて思いまして。
 ついでに、文章を書く機会もがっくりと減ってしまって、
ふと、このブログのことを思い出しました。

 最近読んだ本は少なく、勘所を取り戻すまでマンガ等も交えていきつつ、
 でも相変わらず電車で20-30分の通勤をしていますので、 このまま続けられたらと思っています。

改めまして、よろしくお願いいたします。
そうる


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2014/01/28

「魔女の宅急便 4」@角野栄子

「魔女の宅急便 4」@角野栄子 (2013/9刊)
【あらすじ】(「BOOK」データベース より)
17歳になったキキ。遠くの学校へ通っているとんぼさんが、夏休みに帰ってくると喜んでいたキキのもとに、とんぼさんから「山にこもる」と手紙が届いて……。一歩一歩、大人へと近づいていくキキの物語。


【一言抜き出すなら】
キキのように空を飛んで、宙返りはできないけど、ぼくもどこかで宙返りができる人なんだ、たぶん…いや、きっと。

【感想】
キキはずっと自分のほうがとんぼさんを好きだと思ってて、
とんぼさんの愛が足りないと思っていて、
せっかく一緒に過ごそうと思っていた時間も台無しにされて、
ずっとずーっとむくれていましたが、

そうやってただむくれて時間を過ごしている間に、
とんぼさんはしっかりちゃんと考えていて、
キキよりずっと深く考えて、もっと大人な気持ちにたどり着いている。

だから、男の人ってかっこいいんですよね。

 

 
(90点.誰かとの将来を考えるってすてきなことですよね。。)


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2014/01/17

「魔女の宅急便 3」@角野栄子

「魔女の宅急便 3」@角野栄子 (2013/7刊)
【あらすじ】(「BOOK」データベース より)
16歳のキキのもとへケケという少女が転がりこんできて宅急便の仕事を横取りしたり、とんぼさんとのデートに居合わせたりと振り回され放題。反発しあいながらキキも少しずつ変わっていき…シリーズ第三弾!


【一言抜き出すなら】
キキは世界じゅうが敵のように感じていました。

【感想】
がんばってるね、と認めてもらうこと。
君が必要だ、と請われること。
おかげで助かっているよ、と言われること。

それはひとつひとつがとても嬉しくてくすぐったくて、
あーがんばってきてよかった、と自分を褒めてあげたくなります。

でも、誰もそんなこと言ってくれないからって僻むのは子供がすること。
でも、私も頑張ってるのに、みんなはあの子ばかり褒める。

そうすると、気持ちがくしゃくしゃして、あの子は悪くないのに、
なんとかして追い出したくなってしまって、うまく笑えなくて、いつもいらいらしてしまって。。。。

どうすればよいか分からなくなって、あの子のいないところに消えてしまいたい。


こんなことになってしまったら、もうまるく収まることはないのでしょうか。
私か、あの子か、どちらかが消えてしまうしかないのでしょうか。
本気で話し合えば、どちらかが消えなくても、またちゃんといっしょに笑うことができるのでしょうか。

こんなとき、あの子もきっと苦しい。



 
(88点.自分に重ねて読んでしまう。社会人の私が、16歳のキキに。12歳のケケに。)


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「魔女の宅急便 2」@角野栄子

「魔女の宅急便 2」@角野栄子 (2013/5刊)
【あらすじ】(「BOOK」データベース より)
宅急便やさんも2年目を迎え、コリコの街にもすっかりなじんだキキとジジ。でも大問題が持ち上がり、キキは魔女をやめようかと悩みます。人の願い、優しさ……キキは、再び新たな旅立ちを迎えます。


【一言抜き出すなら】
とんぼさんがさ、魔女の素、わけてほしいっていってたけど、キキはもうわけてるんじゃない?
だって宅急便って、そういう仕事だよね。ぼくはそう思う。


【感想】
全6巻の2巻目。全巻セットのBOXがあると知って、そちらを買えばよかったと悔やんでいるところです。


宅急便、というお仕事。
魔女である、というのはキキの特徴であり良いところで、
人は誰でも自分の得意なこと、良いところを持っていると思う。
その良いところを生かして、良かれと思って精一杯お仕事をしているところに、
気づかずに実は誰かの悪意を助長させてしまっていたり、誰かにいやな思いをさせてしまっていたら、
せっかくのその仕事、やめてしまおうと思うのは、当然のことだと思う。

でも、やめることもできるけど、もう誰かにいやな思いはさせないように、
自分の良いところをもっと大きくしていくことだって、できるはずなんだよね。


 

 
(85点.おもろしいです。大切な話になりそうです。)


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「魔女の宅急便 1」@角野栄子

「魔女の宅急便 1」@角野栄子 (2013/4刊)
【あらすじ】(「BOOK」データベース より)
お母さんは魔女、お父さんは普通の人、そのあいだに生まれた一人娘のキキ。魔女の世界には、十三歳になるとひとり立ちをする決まりがありました。満月の夜、黒猫のジジを相棒にほうきで空に飛びたったキキは、不安と期待に胸ふくらませ、コリコという海辺の町で「魔女の宅急便」屋さんを開きます。落ち込んだり励まされたりしながら、町にとけこみ、健やかに成長していく少女の様子を描いた不朽の名作、待望の文庫化。


【一言抜き出すなら】
心のほうはまかしといて。お見せできなくてざんねんです。

【感想】
このたび全6巻で文庫版が完結したと聞いて読書を開始。
児童文庫ならではの、ふわふわとしたやさしい雰囲気の物語で、
情景も心情も全てにおいて細部を書き込まないことで、読者である私が想像することがたくさんあります。
またその想像でキキが飛んでいる風景やジジの表情、またコリコの街並みを思い浮かべるので、
読んでいてとても楽しくなっちゃいます。

これからトンボさんとの仲も進展するようで、これからがとっても楽しみな1冊です。

 

 
(80点.これからこれから。)


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2012/06/29

「天使の眠り」@岸田るり子

「天使の眠り」@岸田るり子 (2010/7刊)
【あらすじ】(「BOOK」データベース より)
京都の医大に勤める秋沢宗一は、同僚の結婚披露宴で偶然、十三年前の恋人・亜木帆一二三に出会う。不思議なことに彼女は、未だ二十代の若さと美貌を持つ別人となっていた。昔の激しい恋情が甦った秋沢は、女の周辺を探るうち驚くべき事実を掴む。彼女を愛した男たちが、次々と謎の死を遂げていたのだ…。気鋭が放つ、サスペンス・ミステリー。


【一言抜き出すなら】
イアンは一二三にとって神であり、その熱狂的な信仰が、今日まで生きる支えになってきたのだ

【感想】
一緒にいて楽しくて、頭が良くて、ユーモアに溢れていて、容姿がかっこよい最高のだんな様がいて。
彼が突然、「難病だから」という理由だけでひとつも抗う術が無く死んでしまったとしたら。
いなくなってしまったその男のことを、神か何かのように思えるものだろうか。
そしてその男と自分の間に生まれた娘のことを、他の誰よりも優れた、生き残るべき人間だと妄信するだろうか。

結婚しても無い。母になったことも無い。
でも、世間に良く聞く「母性」と「女」の性質を組み合わせたら、無いことも無い話だと思える。

人は誰でも平等であるかもしれない。
誰かを生かすために、誰かを殺してはいけないかもしれない。

でもきっと、母親たちは自分のたった一人の娘のために、誰か他人を殺すことが出来ると思う。

 

 
(68点.最後がちょっと消化不良。)


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「エ・アロール それがどうしたの」@渡辺淳一

「エ・アロール それがどうしたの」@渡辺淳一 (2006/4刊)
【あらすじ】(「BOOK」データベース より)
東京・銀座の瀟洒な施設「ヴィラ・エ・アロール」。「エ・アロール」とは、フランス語で「それがどうしたの」という意味。そこの経営者である来栖の「仕事や世間から解放された人々に、楽しく気ままに暮らしてもらおう」という方針から、施設には自由な雰囲気が溢れ、三角関係などの恋愛問題が絶えず起きるが…。「老い」の既成概念を打ち壊し、新たな生き方を示唆する衝撃作。


【一言抜き出すなら】
死ぬまでに一度、貴方に抱かれたい

【感想】
たとえば75才の、かわいらしいおしゃれなおばあちゃんがいて。
だんなさんは、10年くらい前に病気か何かで死んでしまっていて。
一人で、お友達とおしゃべりとか、趣味をしたりとか、孫と遊んだりしている日常の中で。
もう一回恋をしたらどうなってしまうのだろう。
既に、一人の男の人と人生の大半を歩いてしまった後、残り少ない時間で、人に恋してしまったら。

私なら、その思いをどうするだろう。
こんな年になってみっともないと、胸に隠すことが出来るだろうか。

残り少ない人生だからこそ。
どうなってでも隠すよりは良いと、ぶちまけてしまうのではないだろうか。
 

 
(75点.リアルに読むには、まだちょっと早かった。)


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2012/06/22

「麻酔」@渡辺淳一

「麻酔」@渡辺淳一 (1996/8刊)
【あらすじ】(「BOOK」データベース より)
子宮筋腫の手術を受けた妻邦子は、麻酔のミスで意識不明のまま眠り続ける。福士高伸は妻の意識が戻るよう、夜の病床で妻を密かに愛撫さえしたが、いっこうに目醒める気配もない。母のいなくなった家庭は次第に虚ろなものになっていくが、高伸は仕事に没頭していく。医療過誤と家族の絆を描く感動の長編。


【一言抜き出すなら】
おまえがもう疲れたというのに、どうしても生きろ、というわけにもいかないだろう

【感想】
有名な作家だというのは分かっていましたが。 私にとって初の渡辺淳一でした。 最初から最後まで一言も喋らない、妻であり母であり、家族の要である人。そして、善良で腕もあってベテランの医者の、ちょっとした油断と過信から起きた医療事故。 誰も悪くない、でも誰もが悲しい。 いたたまれないお話で確かにとても面白く泣きそうになりましたが、あまりに誰も悪く無さ過ぎて、逆に綺麗に見えてしまいました。  

 
(78点.現実は、もっとどろどろとしてると思うんだ。)


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