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2010/02/21

ウインクで乾杯@東野圭吾

こんにちは、そうるです。

さくっと要旨だけまとめて短文で言いたいことを伝えられる文章に憧れます。
まあ、そんなことを気にせずに書きたいことを書きたいだけ書いた文章というのが書き手にとっては心地よいのが事実なんですけど。

さて、またしてもこの人。


「ウインクで乾杯」@東野圭吾




【あらすじ】(アマゾンより)
パーティ・コンパニオン小田香子は恐怖のあまり声も出なかった。仕事先のホテルの客室で、同僚牧村絵里が、毒入りビールを飲んで死んでいた。現場は完全な密室、警察は自殺だというが…。やがて絵里の親友由加利が自室で扼殺され、香子にまで見えざる魔の手が迫ってきた…。誰が、なぜ、何のために…。ミステリー界の若き旗手が放つ長編本格推理の傑作。

【ひとこと抜き出すなら】
あたし、全然疲れないわよ。だって玉の輿に乗るためだもの。どんな苦労だって平気。

【感想】
殺した人の心情が入ってこないミステリーで、すごい軽いタッチでした。
ミステリー!!って思って読んだら拍子抜けするんじゃないかな…

登場人物は代わりにすごく魅力的で、これシリーズもんなんじゃないかと一瞬思ったほどです。
さて抜き出したひとことも、本筋とはほとんど関係ないひとこと。
こんなに自分をひたむきにできる夢があったらいいなあーっと思っただけです。
たとえそれが「玉の輿」っていう、ちょっと社会的に不純なものでも、そしてその夢を、親しい中の相手にとはいえ、こんなに堂々と言えるっていうのはかっこいいなぁと思いました。

そうるも、自分のやりたいことが「実を結ばないかもしれないし」とか思って怖がって、今すごい普通に社会人で平日は仕事行って、休日は予定が合えば彼氏とデートして…っていう生活を送っていますが、そんな日常なんか吹き飛ばして、全部懸けて夢に向かうだけの根性があればなぁ…って思ってるんです。実は。

…でもこわい。1人暮らしだし、ちゃんとした生活したいし、彼氏に会いたいし、言い訳だってわかってるけど。むーん。

今回はちょっと短め。






- - - ⇒同じ作家の別の本
「さまよう刃」@東野圭吾
「11文字の殺人」@東野圭吾
「秘密」@東野圭吾

さまよう刃@東野圭吾

こんにちは、そうるです。
週末更新2冊目です。
…つい一つの記事を長く書いてしまう性質(タチ)なので、溜めるのはよくないなぁと痛感。

さて、今回はまたしてもこの人。


「さまよう刃」@東野圭吾



【あらすじ】(アマゾンより)
自分の子供が殺されたら、あなたは復讐しますか?
長峰重樹の娘、絵摩の死体が荒川の下流で発見される。犯人を告げる一本の密告電話が長峰の元に入った。それを聞いた長峰は半信半疑のまま、娘の復讐に動き出す――。遺族の復讐と少年犯罪をテーマにした問題作。

【ひとこと抜き出すなら】
どんな理由があろうとも、人殺しなんかしちゃいけない。それはわかっています。許されることじゃない。

【感想】
一気に読んでしまいました。
1人娘を殺されたお父さんが、もう奥さんも昔に死んでしまってて他に家族もいなくて、娘を殺した若者2人のうち1人を殺し、もう1人を探しに行く話です。
被害者でもあり加害者でもあるこのお父さんが主人公で、なんとしてでも「自分の手でかたきを討つ」の執念で変装し、隠れ、あてのない捜索をする話なのですが。
題材として今の日本の警察やメディアの姿勢やら少年法の意義なんてものが絡んできて、お父さんの行動が日本中の注目の的になってしまいます。
別にまわりがなんやらかんやら言っててもいいんです。小説の題材が犯罪の周囲のことにあるのなら、それをどれだけ丁寧に書いたっていい。
でも、メインはお父さんの気持ちです。抜き出した言葉の通り、殺人はだめだってわかってて、してはいけないことだって分かってて、でも殺さずに黙って何もしないなんて耐えられない遺族の気持ちと行動です。それは、すごく個人的なもので、勝手な気持ちで、ただ悲しくて悔しくて許せないから、殺したくて若者を追ってるって設定にしてほしかったな、というのが唯一の惜しいところです。
私の勝手な感想なのであれてすが、
「警察に任せられないから」「今の少年法が若者をしっかりと裁いてくれる、適量な罰を与えてくれるとは思えないから」だから、若者を追うんだとお父さんは作中で何度も言っています。
その科白に、違和感を感じてしまいました。

少年法で守られようが、罰が少なかろうが、それがこの国が定める「適量な罰」なのです。でもじゃあ、法律で死刑になるって分かり切ってたら、お父さんは黙って待ってたのでしうか。警察が若者を捕まえるまで、その日ひたすら楽しみにただ何もしないで待ってたでしょうか。
そうじゃないと思うんです。
結局、自分が自分の手でなにかしらの仕返しをしたくて、動き出すんじゃないかな、と思うんです。
それが、単独での仕返しか、警察に助力するかの違いになるだけで。
この登場人物のお父さんが、性格や境遇を考えても、ただ黙ってるだけなんてそぐわない。
だから、ひとことだけ。
少年法とか関係ない、死刑にならないとか関係なく、自分の手で殺したいってそう思うんです。と、
言ってほしかったなぁと思います。


…エゴでまみれた愛が、いちばんキレイだと思う私の偏見ですが。




- - - ⇒同じ作家の別の本
「11文字の殺人」@東野圭吾
「秘密」@東野圭吾

しにがみのバラッド。@ハセガワケイスケ

こんにちは、そうるです。
この週末はずっと37度くらいの微熱があって、ずっとお家にいました…
ひきこもりで、ハードディスクに溜めてたアニメ見てたりとかミクシィアプリ見てたりとかしてましたが、体調はあまり良くならず(泣)

明日からはまた会社で、悪化しないようにかんばりたいと思います。
体調悪いと、通勤中に本を読んでいると酔ってきちゃうのですが、それはそれで自分の体調のパロメータだと思うので(元気だといくらでも読める)気をつけて読みたいと思います!!


さて、今日はここ最近読み終わっても更新をさぼっていたのでまとめてやりますぞー


「しにがみのバラッド」@ハセガワケイスケ




はじめてのライトノベルですね。私自身はあんまりライトノベルは好きじゃないのですが、ハタチ越えてる弟が大好きですんごい「ラノベ(ライトノベル)はイイんだ」と主張するので、読まずに退けるのもいかがかと思い、たまに読んでます。(売れてそうなのをチョイスします。どうせならおもしろいのを読みたい!)


【あらすじ】(アマゾンより)
目を覚ますと、少女は死神でした。その少女は、死神でありながら、その真っ白な容姿ゆえに仲間から「変わり者」と呼ばれていました。しかし、少女の持つ巨大な鈍色の鎌は、まさしく死の番人のものです。少女の使命は人間の命を運ぶこと。死を司る黒き使者である少女は、仕え魔のダニエルと共に、人の魂を奪いにいくのです。死を司る少女は、様々な人と出会い、そして別れていきます。哀しくて、やさしいお話。

【ひとこと抜き出すなら】
「おまえは今回のリストに入ってないよ」

【感想】
正直に言って。
私はライトノベルより普通の小説の方が好きです。
まぁ嫌いではないし最後まで読んだのですが、特に何かを「得た」感じがなく、
一般的に小説すべてがそうだと言えばそれまでなんですが、でもやっぱり、「娯楽」だな、と。
…まあいいや。
抜き出したのは、自殺願望のある少年に、死神の使い魔が言った一言。
「おまえは、まだ死ねないんだよ」と。
これ、扱っている題材が「死」なので、まだ死なないというのは良いことなんだろうとは思いますが、これがもし「死」ではなかったらと思うと、すごく残酷な一言だな、と。
仮に登場人物が画家になりたいとか昇進して課長になりたいとか思って頑張っている時にふと突然現れた得体のしれない存在が、なんか人の運命みたいなものを知っている超越した存在で。
「おまえはなれないよ、無理だよ」とか言ってくれちゃったりとかしたら、すごくすごくショックで、1年は立ち直れない気がします。
それが「夢」なら尚更。
神のような存在ってこういう作り話だとすごくよく出てきますが、本当の神様ならまだしも、こういう人とほとんど変わらない、お友達感覚の存在からこんなこと言われたら、なんかもうすべてを投げ出して死にたくなってしまうと思う。
「おまえ人間じゃないからそんな残酷なこと言えるんだよ」って思うし
「運命とか信じてないから」とも思う。

ほぼ実らない確率の方が高いと思い知らされた後、果たして人って、私だったらとしたら、「限界までがんばることに意味があるんだ」と自分を鼓舞しなおして、再びその道でがんばることができるもんなんだろうか。

…ふと、そんなことを考えた本。


2010/02/07

11文字の殺人@東野圭吾

こんにちは。そうるです。
せっかくの日曜日ですが、作業が残っているので私服で会社に来ています。
しかし全然やる気が出ない…明日はもう月曜日だし、早く終わらせて早く帰らなくちゃ、とは
思っているんですけどね…(笑)

さてこんな感じで昨日も会社に来ていたので、「通勤読書」は止まりません。
今回は、「11文字の殺人」@東野圭吾 です。

お母さんがミーハーで、東野圭吾の本ばかり「お勧め♪」とか言いながら突き付けてくるので、
暫く、本来のそうるの趣味からはずれた読書が続きそうです。
まあ、ちょっとばかし趣味じゃなくてなんとなく読んでいる方が、
客観的にもなれるし電車も降り過ごさないし、感想も書きやすいんですけれども。

さてそんなわけで、


「11文字の殺人」@東野圭吾




【あらすじ】
「気が小さいのさ」あたしが覚えている彼の最後の言葉だ。あたしの恋人が殺された。彼は最近「狙われている」と怯えていた。そして、彼の遺品の中から、大切な資料が盗まれた。女流推理作家のあたしは、編集者の冬子とともに真相を追う。しかし彼を接点に、次々と人が殺されて…。サスペンス溢れる本格推理力作。

【ひとこと抜き出すなら】
「女性問題では困らされることも多いけれど、いざという時に命賭けの仕事をできるバイタリティをあたしは愛したのだ」

【感想】
もともとあまりミステリとか推理小説のファンではないので、正直に言うとあまり好みではありませんでした。
登場人物が10人以上あれやこれやと出てきてしまうと、誰が誰なのかごちゃごちゃになってしまうという、私の読書力のなさ(だからミステリがあまり好きではない)が完全に裏目に出ました。
なんとかストーリーを追っていくだけで精一杯で、細部の趣向やアリバイのち密さをほとんど読み込むことができませんでした。でも、2読する気にもなれないので、このまま感想を書いてしまおうと思います。
まぁ、確かに結末は「あれ」と思わず手を止めたくらいには意外でしたが。

それより、私が唸ったのは、抜き出した一言です。
これは、犯人の動機に繋がる大事な一言なのですが、事件の内容とか動機とかはどうでもよく、この科白そのものにすごく力があるな、と。

だってこんな科白、女性の方が自分の仕事に自信とプライドを持って、相手の男性のことを、一人の人間とか異性とかだけではなく、「一人のビジネスマン」として対等に見ていないと言えない。
寧ろ、女性問題で困らされるなんて、「異性」とか「彼氏」として付き合うには完全にアウトであるはずなのに、その大きな問題をカバーできるくらい「愛すべきビジネスマン的バイタリティ」があるなんて。

よく、「仕事仲間は恋愛対象に見られない」という話を聞きます。どれだけ仕事人として一人前でかっこよくて頼りになっても、それと「性的魅力」や「生涯の伴侶としての魅力」は別モノだというわけで、その弁を支持する人が多いことは事実です。
でも現実に社内恋愛して結婚する人だって大勢いるわけで、恋愛可不可の線引きは人それぞれだし、どんな関係性のある相手だって、好きになってしまったら理屈なんて関係ない、ともよく言われる言葉ですが。

でもこの科白の主は、逆に社内恋愛しかできないんじゃないか、と思わせられます。
男として、パ―トナーとして失格でも、「仕事に命を賭けられるバイタリティ」を愛しているから構わないだなんて。
「好き」なら他は見えなくなってしまうものだとはいえ、「男として」より「社会人として」の愛が優先されるような愛し方なんてあるのだな、と目から鱗が落ちた気分です。

…自分に、そんな恋愛ができる気はさらさらありませんし、おそらく社会的にもマイノリティだとは思いますが。でも小説の中では、どんな嗜好だって描けます。
ストーリーそのものは好みでなくても、やはり東野さんは数をこなす職業小説家で、手持ちの世界の幅が広いんだな、と痛感し納得した次第です。




- - - ⇒ 同じ作家の別の本 の記事は此方
 ・「秘密」@東野圭吾


2010/02/06

頼子のために@法月綸太郎

こんばんは、そうるです。
金曜日に飲んで終電で帰ってきて、軽くシャワーを浴びて落ち着いたらこんな時間になってしまいました。
…終電って、本当に遅くなってしまいます。
まぁ、「終わりの電車」なんだから当然ですけど。
ちなみに今日は終電が乗り継ぎの関係で15分ほど遅れてきたので、最寄り駅に着いたらもう1時半近かったです。…ほんとに遅い。

さてついさっき、そんな終電で読み終わったのがこちらです。

「頼子のために」@法月綸太郎



【あらすじ】
「頼子が死んだ」。17歳の愛娘を殺された父親は、通り魔事件で片づけようとする警察に疑念を抱き、ひそかに犯人をつきとめて相手を刺殺、自らは死を選ぶ──という手記を残していた。手記を読んだ名探偵法月綸太郎が、事件の真相解明にのりだすと、やがて驚愕の展開が!精緻構成が冴える野心作。

【ひとこと抜き出すなら】
――私は自分のことを観念の化け物だと思っています。

【感想】
観念。
「プラトンに由来する語「イデア」の近世哲学以降の用法に対する訳語で、何かあるものに関するひとまとまりの意識内容のこと。元来は仏教用語。 - - Wikipedia」
ということで、何かあるものに対する個人の主観的な考えのこと、と捉えていいようです。
観念の化け物。この言葉の意味はこの本を最後まで読めば自ずと知れてくるのですが(ストーリー的に最大のキーになる科白なので)、この本を読んでいない状態でこの「観念の化け物」という言葉に出会ったとしたら、どういった印象を受けるだろう、とふと思いました。
この科白を吐いた登場人物は下半身が不自由で、ベッドの上での生活を余儀なくされています。
もしそういった状態になったとしたら、自分で歩くことができなくて、本当に小さな世界のことしかわからなくなって、世間的な常識とか客観的なこととかの比重が、きっとどんどん自分の中では小さくなっていくのではないか、という気がします。そうして、ベッドの上でアテなく考えているさまざまなことに思考が支配されて、それが妄想であれなにがしかの論理であれ、その思考が一般的にはどのような形で受け入れられるものなのかということなどには興味を示せなくなって、ただただ「自分がどう思うか、どう感じるか」といった一点のみが重要になってくるのではないか。
その状態をひとことで表した語句が「観念の化け物」なのではないか、と。

化け物だということは、もう観念でしかない存在で、自分の思考が何よりも大切で。それが他者にどんな影響を与えるのか、なんて、言いすぎれば「どうでもいい」わけで。
そんな、思考能力だけは成熟した大人のくせに、その回路が傍若無人で我儘なガキと同等になってしまった救いようのないこの科白の主に、でも何故か同情するし哀れに思えてしまう。

それは、下半身不随、という設定のためだけではなくて。
風邪を引いて寝込んだり入院してひとりきりだったり、誰にでも大なり小なりある不自由な時間を持て余したときに、覚えのある感情だからなのではないかと思う。

ネガティブなことを考えだしたら止まらなくて、自分で生み出したその思考に囚われて、自由の利かない体にいらついて、周囲の人の優しさまで根拠なく疑ってしまったりして。

観念。

定義の難しい言葉だけれど、こうして考えてみて、ちょっと飛躍するけれども、
ああ人間だなあ、なんて。

そんなことをふと思った真冬の夜さがり。


2010/02/03

向日葵の咲かない夏@道尾秀介

こんばんは、そうるです。
すっかりめっきり寒くなって、最寄り駅に着いた瞬間、電車の外に出るのが億劫で仕方ありません。
小説のストーリーが、むちゃむちゃ「イイトコロ」だと尚更です。
まあ、降り過ごすわけにはいかないので渋々降りるわけですが。
…決められた時間以上にずるずると読書してしまわないのが、通勤読書のイイトコロだと思います。
お風呂入りながら読もうものなら、読み終わるまで入ってて、逆に体冷え切ったりしてむちゃむちゃ後悔しますからね…。

さて、今日読み終わったのは
「向日葵の咲かない夏」@道尾秀介




【あらすじ】
夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。

【ひとこと抜き出すなら】
物語をつくるのなら、もっと本気でやらなくちゃ

【感想】
物語っていうのは、小説とかドラマとか大層なものじゃなくて、
「自分が信じて見ているもの」と、「実際の世界」との整合性をどれだけ保つか、ということだと思う。
客観的にはゆるぎない事実でも、それから眼を反らすのなら、いんなる理由であれ、それ相応の覚悟をしなければならない。
現実を見つめることは勇気がいることだ、とはよく言われるありふれた言葉だけれど、現実を見ない、というのもまたそれ相応の覚悟がいることなのだと思った。

例えば自分の心の平穏のために、「自分はクラスのリーダーで人気者だ」と信じる。そうでありたいと願い、そうでない自分は許せないから。たとえクラスのみんながどれだけ冷たい視線を自分に向けようと、クラス委員に誰も推薦してくれなくても、それでも現実を見ないで、「自分は人気者だ」と信じ、そうあろうとすることは、一見滑稽なようでいて、とても覚悟がいることだと思う。
「自分はこうなのだ」と、他の誰でもない、自分自身が誰よりも信じるのだから。

まぁ、実際の本編は、こんな難しい話じゃなくて、ちょっと不思議な小学生と、現実にはあり得ない設定が一つだけ紛れ込んだ夏休みと、友達の死体が作り出す摩訶不思議物語。…ホラーじゃないけどちょっと怖いです。

ミステリと呼ぶにもホラーと呼ぶにも、でも「一風変ってる」と付けた方が間違いない1冊。
私はすごくおもしろいと思ったけれど、人によって明暗が分かれそうな作品でもあるかな。


2010/02/01

秘密@東野圭吾

おはようございます。
はじめまして。そうる というものです。
毎朝毎晩、通勤しながら読んでいる小説やらなんやらの本を、せっかく読んだのだから記録していきたいと思います。

まず1冊目。

「秘密」 @東野圭吾




【あらすじ】
妻と小学五年生を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだ筈の妻だった──。

【ひとこと抜き出すなら】
ー自分が愛する者にとって幸せな道を選ぶー

【感想】
物語中盤、その後のストーリーを激変させるカギになったひとことですが、それ以上に「愛」を理想的な言葉に置き換えるとしたらこうなるのではないかな、と思います。
好きな人には幸せになってほしい、とか。
君の幸せを願っている、とか。
ありきたりで良く聞く言葉ですが、異性として好きな人、愛している人が、自分の隣でないところを望んでいたり、はたまた相応しかったりするというのはどういう気分なのだろうと思います。
このセリフを、本気で吐ける人なんかいないと思っていたのですが。
こういうSFチックな環境だったら、アリなんじゃないかと思わせられたりもして。

やっぱり「愛」って普遍じゃないんだなぁ、知ってたけど。なんて改めて考えさせられた1冊です。
ハッピーエンドではないので、ご注意くださいませ。




- - - ⇒ 同じ作家の別の本 の記事は此方
「11文字の殺人」@東野圭吾