【あらすじ】(「BOOK」データベースより) 一年に一度決まったルールの元で起こる殺人。今年のターゲットなのか、六月六日、四十四歳になる小田原静子に脅迫めいた手紙が届いた。探偵・保呂草は依頼を受け「阿漕荘」に住む面々と桜鳴六画邸を監視するが、衆人環視の密室で静子は殺されてしまう。森博嗣の新境地を拓くVシリーズ第一作、待望の文庫化。 |
【一言抜き出すなら】
テストで、わざと間違えたことがありますか?
【感想】
森さん自身がどれだけ頭がいいのかは分からないけれど、森さんは本当に「頭がいい人」を書くのがうまいと思う。それも、ただ頭がいいだけではなくて、「覚えること」「応用すること」「閃くこと」に秀でた、正真正銘、頭の回転が速い、ものすごく頭がいい人を描くのがうまいと思う。
Vシリーズと呼ばれる、紅子さんのシリーズ第一作。最後の方、あれあれっと思いこみが覆されて、全然予想外の人が犯人だった時は本当に驚いた。あれ、この人は探偵側で、客観側で、第三者なんじゃなかったっけ…?という騙された気分。
でもそれも全て、「頭のいい人にとっての、それ故の、多少ばかり常識から外れた善」というものを書きたいがためだと思う。
そして、この傾向はずっと今の森さんにも続いているんじゃないかな。
頭がいいからこそ、常人では見落としがちな犯人のミスに気づく。
頭がいいからこそ、常人では気づかない動機やトリックに気づく。
そして頭がいいからこそ、常人ではできないことができる。
こう書くと、言いすぎているのかもしれないけど。
(82点。平均的におもしろい)
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