2011/08/06
「ロミオとロミオは永遠に」@恩田陸
【一言抜き出すなら】
よおし、儲けてやる。買いまくって、消費しまくってやるぞっ
【感想】
大好きな作品なので2度目です。
一回目はただただ20世紀カルチャーそのものをここまで料理した恩田さんに敬服するばかりだったのですが、今回読み返してみて、カルチャーだけではなく、其処に日本の立ち位置も含まれていて驚きました。
日本は、自分だけで自分の価値を測ることができずに、他国よりどう優れているか、他国のどこを真似すべきかだけ考えてきたから、地球に日本だけ取り残されてしまったこの作品内の日本は、狂うしか方法か無かったのだな、と分かりました。
私は相対評価最後の世代です。結局狭き門をくぐる為には相対評価されるのだから、絶対評価など何の役に立つのだとさんざん言い合ってきましたが、いざ社会人になってみると、元カレと今の彼氏を比べる、前の会社と今の会社を比べる、友達の女の子たちを比べる、なんともイヤな人間になってしまったなあと思う次第です。
自分は、誰を評価するのか。その評価はその人を見て行うものであって、比べるべき他者の評価が上がったり下がったりしたからといって、当該人に対する評価が変わるのはおかしい。
そんな簡単なことが、やっと分かった気がしました。
(95点.恩田さんの作品の中でも特に好きです)
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恩田陸
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